日本株は「日銀の買い」がないといくらなのか 「官製相場」に乗ってハシゴを外される危険性

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1万8000円や1万9000円説も出てきた日経平均。筆者は「無理に割高なものを買う必要はない」という。なぜか(2015年12月、写真:AP/アフロ)

いよいよ本格的な夏休みシーズンに入った。今来週は会社全体で「連続休暇」のところも少なくない。夏の高校野球が始まり、夏季五輪も真っ盛りだ。気温も上がり、晴天続きとまさに夏本番である。今年の夏は、暑さ対策をしながら、ゆっくりと涼しいところでスポーツ観戦するのがよさそうだ。

「売りで儲けよう」という投機筋はいなくなった?

先の日銀金融政策決定会合では、ETFの買い入れ額の増額が決定された。市場では、この決定に対して様々な論評がなされているが、その理由や背景は別として、日銀が決めてしまったものは仕方がない。日銀は粛々とETFを買い続けることになる。普通に考えれば、株価は下がりにくくなる。何らかの事情で下げるようなことになったとしても、日銀が買い支えてくれる。市場参加者の多くが、株価は大崩れしにくくなったと考えるのも当然である。

そもそも、1日の買い入れ額が700億円にも達する日があるなどという、とてつもない買い需要である。それも、売りが出てこない、一方通行の買いである。これはものすごいインパクトである。まさに「株価維持政策(PKO)」そのものである。したがって、日本の事情だけで株価が下げるようなことは、よほどのことがない限りないだろう。

このような市場構造になってしまうと、投機筋もやりようがない。売り込んでも、日銀が買い支えるのだから、下値は限られている。その下値水準が、日経平均株価ベースで1万6000円程度であるとすれば、ショートして売り崩す妙味はなくなる。とにかく、彼らからすれば、「やりづらくなった」というのが実態であろう。

では、買いに回ればよいのだろうか。単純にそういうものでもないだろう。市場関係者の中には、「日経平均株価とドル円の相関がなくなり、円高になっても株価は上がりやすくなる」といったコメントが聞かれる。楽観主義も行き過ぎると、このような発言も出てくるのだろう。

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