50代で出産も!増える「熟年子育て」最前線 年配者だからこそのメリットは
ホフマンは58歳の時、ロシアから3歳半の女の子を養子に迎えた。友人たちの反応はショックから怒りまでさまざまだった。「『その歳で何を考えているのか』という人もいれば、応援してくれた人もいた」
年を取ってからの子育ての大変さを心配する向きもあれば、倫理的な問題を懸念する人もいる。
コネティカット州ハートフォードの看護師、アニー・ウォーショーフスキー・マコーリー(55)とパートナーのシンディは、養子を迎えることを検討している。2人の間には6歳の息子のネイトがおり、マコーリーには元夫との間に成人した4人の子どもがいる。
おばあちゃんと思われないか不安
マコーリーは気力・体力には自信があるものの、一方で不安も感じている。「子どもの卒業式には車椅子で行くことになるのだろうか、それまで生きていられるだろうか、周りの人から(親ではなく)おばあちゃんだと思われるのではないかと思う時がある。心身ともに休まる暇がない」
年を取ってから子どもを持つことの倫理的な問題には医師や弁護士も取り組んでいる。2013年に米生殖医学会は「高齢」女性への卵母細胞や受精卵の提供に関する倫理委員会報告書の見直しを行った。
「母体と胎児の安全に関するデータが不十分なことから、55歳を超える女性に移植する目的でドナーの卵母細胞や受精卵を提供することは、たとえ女性に基礎疾患がなかったとしても、やめるべきである」と、倫理委員会は結論付けた。
55歳を超えると、妊娠中毒症や糖尿病、高血圧といった妊娠の合併症は劇的に増加する。