50代で出産も!増える「熟年子育て」最前線 年配者だからこそのメリットは
さらに重要なことは、熟年世代が子どもを生み育てることそのものは(医療的・倫理的な問題は指摘されているものの)文化的に受け入れられつつあるということだ。その傾向は富裕層では特に顕著だ。
「これまでの枠組みにとらわれず、子育てに飛び込む50歳以上の男女が増えている」と、『彼女自身の大事な時間:卵子凍結と家族の新たなフロンティア』という著書のあるレイチェル・リーマン・ハウプトは言う。
親になる方法は色々ある
「寿命が延びる中、現代における中年期は人々が改めて残りの人生で何がしたいかを考え始める時だ。子どものいない多くの人は、親という新たなページを切り拓こうと考える」
親になる方法はいろいろある。養子縁組や代理母に頼む以外にも、体外受精という手もある。体外受精の場合、卵子は本人が過去に凍結しておいたものを使うこともあれば、ドナーの卵子を使うこともある。
ただしどの手段を採るにしても金がかかる。カンパネラの場合、法的手続きや医療費、代理母への支払いなどで合わせて12万ドルを要した。
「現代の(中高年の)人々は(昔の人々より)ずっと健康だ」と、サンフランシスコにあるパシフィック不妊治療センターの不妊治療専門医、フィリップ・シェネットは言う。
「55歳でしょっちゅうマウンテンバイクで走っている人も知っている。きちんとした食生活を送って体重を低く抑えていれば、昔なら無理だったようないろんなことが可能だ。寿命が延びたなら、その時間を子どもで埋めたいと考えるのも当たり前だ」