50代で出産も!増える「熟年子育て」最前線

年配者だからこそのメリットは

年配者が父親になることにも健康上のリスクはある。高齢の父親から生まれた子どもは自閉症や統合失調症、小人症になるリスクが相対的に高くなる。後で子どもが欲しくなったときに備えて精子を冷凍保存するよう呼びかける専門家はいないものの、「悪いアイディアではない」とシェネット医師は言う。

 倫理的な懸念以外にも、考慮すべき現実的な問題もある。

「『道義的に見て、これは子どもにとって本当に最も利益になることなのか?』と弁護士から問われることもあるだろう」と弁護士のクラインは言う。「私は『相続については決まっているか? 後見人を引き受けてくれる人はいるか? この子のための支援体制はできているか?』と聞く。責任感ある弁護士なら、この点は依頼人に強く求めるはずだ」(冒頭のカンパネラは万一の場合の息子の後見人に友人たちを指名した)。

年配者が子どもを持つメリットは

さまざまな問題はあるものの、年を取って親になった人々は子どもに、そして自分たちにも特別なものを与えていると賛成派は言う。

「私は父が50歳のときにできた子どもだった」とニューヨーク不妊治療研究所のファテ院長は言う。「父が他界したのは私が20歳代の時だったが、父と過ごした年月は短いながらも私の人生で最良の時だった。父は愛情深く理解があり、大人だった。人生経験が豊富だった」

自分の見るところ、「年配者のほうが子どもに本当にやさしく接することができるし、理解もある」とファテは言う。

「経済的にも安定した時期にあり、子どもと長い時間、一緒にいることもできる。これが働き盛りの30歳代なら、子どもの顔もなかなか見られない。年を取って子どもを持った後悔している父親は1人も見たことがない」


(執筆:Abby Ellin記者、翻訳:村井裕美)

(c) 2015 New York Times News Service

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