守護神・牧田は、球速130kmでなぜ勝てる 強靱なメンタルと巧妙なテクニック

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こういったテクニックを駆使できるのは、牧田が揺るぎないスタイルを確立していることが土台にある。西武に入団した2011年シーズンの開幕前から日本代表として今回のWBCに臨むまで、牧田は一貫してこう口にしてきた。

「自分のピッチングをすれば、抑えられる自信がある」

牧田の言う「自分のピッチング」とは、ストレート中心で攻める投球だ。彼のストレートは球速こそ130km台だが、下から浮き上がるような軌道は牧田にしか投げられない。「社会人時代は投げるボールの9割が真っすぐでした。つねにインコースしか攻めてなかったですね」と言うほどの威力だ。

心理面で言えば、攻めることで主導権を握り、相手より優位に立てるという点もある。

メンタルゲームで重要なこと

昨年4月17日に西武ドームで行われた日本ハム戦。チームが開幕から本拠地6連敗中の先発マウンドに立った牧田は、完投でホーム初勝利をもたらした。このときの胸中にこそ、牧田の持つメンタルの強さが凝縮されている。

「(プレッシャーは)多少というか、すごくありましたよ。他の先発、中継ぎの見えないプレッシャーが伝わってきました。中継ぎはシーズンが始まってからけっこう投げています。だから完投しようと思って投げました。見えないプレッシャーはたくさんありましたよ。でも、攻めて負けるのはしょうがない。思い切り仕事をするだけです」

負けてしょうがないと思えるのは、覚悟の表れとも言える。勝負の場に立つまでに、最善を尽くしたという自負があるのだろう。

戦う準備を心身ともにできれば、あとは平常心で挑むだけ。それがメンタルゲームでは重要になる。

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