守護神・牧田は、球速130kmでなぜ勝てる

強靱なメンタルと巧妙なテクニック

驚かされたのは、西武に入団したばかりの頃だ。他のルーキーと異なり、牧田はマスコミへの受け答えが実に威風堂々としていた。27歳という年齢もあるのだろう。並の新人でないことはすぐにマウンド上で明らかになる。

2011年3月10日、公式戦が開幕する前に行われた教育リーグの巨人戦。黄金ルーキーと注目を浴びた大石達也の後を受けて6回からマウンドに上がった牧田は、4イニングで6つの三振を奪ってみせた。

そのコメントが実に憎らしい。

「自分は三振を取るピッチャーじゃありません。打ち取ることを心掛けた結果、三振につながりました」

目に見える結果より、過程が大事。そう言った牧田は自身の投手哲学をこう明かした。

「抑えようというより、バッターをもてあそんでやろうと考えています。緩急でわからなくさせるような、嫌なピッチャーを目標にしています。(投球テンポの速さを嫌った相手打者に)タイムを取られたのは、自分のペースだな、と」

戦う前から優位に立つ方法

牧田は一般的な投手より、投球間隔がかなり短い。相手のリズムを崩し、自分がペースを握るために意図的に行っていることでもある。この試合で巨人のある打者が、牧田の投球テンポを嫌がり、タイムで打席を外した場面があった。

このようなケースで、投球テンポを乱されたことに嫌な態度を示す投手がいる。誰しも、自らのペースを乱されるのは好まないはずだ。しかし、その事象をどうとらえるか。相手が自分のリズムを嫌がっていると考えれば、心理的に優位に立てる。それが、勝負するうえで余裕を生む。牧田はそう考えることで、戦う前から優位に立っている。

2012年5月1日の楽天戦で、相手はスタメンに8人の左打者を並べてきた(両打ちの松井稼頭央を含む)。一般的に右投げのアンダースローを攻略するには、左打者がカギを握るといわれる。右打者より左打者のほうが、相手投手の球の出どころが見やすいからだ。

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