西武筑波店を閉店に追い詰めた「TX」の存在 交通の利便性向上で百貨店が「危機」に陥った

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その要因の一つが、首都圏新都市鉄道が運営する「つくばエクスプレス」(TX)の存在だ。

つくばエクスプレスは、茨城県・つくば駅と東京都・秋葉原駅を結ぶ路線で、2005年に開通。快速に乗れば45分程度でつくば駅から秋葉原駅に到着する。都心へのアクセスの良さを背景に、沿線付近の開発は年々活発化。都心に通う人たちのベッドタウンとして定着してきた。

この好機を逃すまいと、つくばエクスプレスの開通前後から、沿線には次々と商業施設がオープンした。西武筑波店の周辺地域にも、イオンモールを中心とした大型店の出店が相次いだことで、「ファミリー層やシニア層が競合店へ流れていってしまった」(そごう・西武)。

地元よりも都心の百貨店へ

さらに、「アクセスが良くなったことで、都心に買い物へ出て行く人が増えた」(同)。つくばの場合、買い物をするのであれば、地元の百貨店ではなく、都心の百貨店まで足を運ぶ人が増えたというわけだ。こうした人の流れの変化に対応できなかった西武筑波店は2012年度から4期連続で営業赤字が続き、今回の閉店発表に至ることになった。

振り返ると、セブン&アイの井阪社長は、5月の社長就任会見時に、各事業の抜本的な改革案を、10月の第2四半期の決算発表にあわせて公表する方針を示していた。だが、今回の百貨店2店の閉鎖は、8月に前倒しする形で公表された。なぜか。

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