西武筑波店を閉店に追い詰めた「TX」の存在 交通の利便性向上で百貨店が「危機」に陥った

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このタイミングには少なからず“意味”がある。

というのも、そごう・西武には、取引先やディベロッパーに対する店舗閉鎖通告を、6カ月前までに行うというルールがある。井阪社長が就任した今2017年2月期中にウミを出し切るということであれば、10月の発表では今期中の閉店に間に合わないのだ。

9月末で閉店となる「そごう柏店」

それだけではない。3月に発表したそごう柏店と西武旭川店の閉店(いずれも2016年9月末閉店)を控えていることも影響している。

実は会社側は今回の西武筑波店と西武八尾店の閉鎖発表に合わせて、45歳以上の正社員を対象に350人の希望退職者を募集すると発表した。10月発表となると、9月末に閉店する店舗の社員が希望退職に応募できない。そうした事情も勘案し、8月での発表に踏み切った。

さらなる閉店の可能性

では、今後さらなる閉店に踏み切ることもあるのか。先述した6カ月ルールにのっとれば、少なくとも今2017年2月期中の閉店はひとまず終わったと考えられる。また、今回の2店が2017年2月末に閉鎖されると、店舗数は19店となるが、「残る百貨店について現在赤字に陥っている店舗はない」(そごう・西武)という。

だが、あるセブン&アイ関係者は「地方百貨店で300億円の売り上げがなければ、長期的に考えても存続していくのは難しい」と指摘する。今年3月には村田紀敏・セブン&アイ前社長も「地方都市では百貨店が1店舗しか存続できないマーケットになった」と述べていた。現時点での赤字店舗はないとはいえ、変化する競争環境に対応できなければ、さらなる閉店もあるかもしれない。

又吉 龍吾 東洋経済 記者

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またよし りゅうご / Ryugo Matayoshi

2011年4月に東洋経済新報社入社。これまで小売り(主にコンビニ)、外食、自動車などの業界を担当。現在は統括編集部で企業記事の編集に従事する傍ら、外食業界(主に回転ずし)を担当。趣味はスポーツ観戦(野球、プロレス、ボートレース)と将棋。

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