習近平政権は利上げに踏み切るのか 大都市で住宅価格が上昇、強まるインフレ懸念

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中国人民銀行は4半期に1度の「中国金融政策執行報告」でインフレに対する警戒感を強めた。前回の報告ではインフレに関する記述は「インフレ期待の管理」との表現だったが、今回は「インフレのコントロール」に変更されている。昨年10月に消費者物価上昇率が前年比ベースで底を打ち、11月以降2%台の伸びを続けていること、また、今年1月の消費者物価上昇率は前月比1.0%と物価上昇の勢いが強めだったことが、中国人民銀行のインフレ警戒感を強めたのだろう。

今回のインフレ局面で、中国政府はこれまでのように上昇の目立つ都市の住宅価格を行政的手段でモグラたたき的に処理しようとするのか、それとも金利を通じた、よりシンプルな金融政策を指向するのか。痛みは伴うものの、経済を歪ませることの少ないのは後者の政策である。3月には、全国人民代表大会を経て習近平政権が本格始動する。習近平政権の才腕が問われている。

伊藤 信悟 国際経済研究所主席研究員

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いとう・しんご

1970年生まれ。東京大学卒業。93年富士総合研究所入社、2001年から03年まで台湾経済研究院副研究員を兼務。みずほ総合研究所を経て18年に国際経済研究所入社。主要著書に『WTO加盟で中国経済が変わる』(共著、東洋経済新報社、2000年)、主要論文に「BRICsの成長持続の条件」(みずほ総合研究所『BRICs-持続的成長の可能性と課題-』東洋経済新報社、2006年)、「中国の経済大国化と中台関係の行方」(経済産業研究所『RIETI Discussion Paper Series』11-J-003、2011年1月)など。

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