習近平政権は利上げに踏み切るのか 大都市で住宅価格が上昇、強まるインフレ懸念

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日本の固定資産税と似た「不動産税(中国語では房産税)」を、個人の住宅にも課税するという実験が上海、重慶で行われてきたが、その適用範囲を拡大していくことも、常務会議は明言した。地方政府の反対などから、その進捗の遅れが懸念されてきたが、そうした懸念を払拭し、増税を通じて住宅価格の高騰を防ごうという意図がうかがえる。

投機的需要の抑制ばかりでなく、低中所得者向けの住宅供給を着実に進めることで、住宅価格の安定を図るとの方針も再確認された。中国政府は公営・公団住宅に似た政策的に価格を抑えた「保障性住宅」の建設を進めている。今年は470万戸の竣工、630万戸の着工が数値目標として設定された。加えて、住宅用地の供給量を確保し、中小型の一般商業性住宅の供給拡大を急ぐことになった。今年の住宅用地の供給量は、少なくとも過去5年の年平均値を下回らないこととされた。

これらの措置が不動産市況を悪化させるのではないかとの懸念から、上海総合株価指数は2月21日に2.97%下落した。15カ月ぶりの大幅下落である。他のアジア諸国の株価下落にもつながった。

利上げには躊躇しがちな中国政府

ただし、中国の住宅価格は「清一色」で上がっているわけではない。上記主要70都市の中では、広西壮族自治区の桂林、南寧、海南省の海口、江蘇省の無錫などで住宅価格が下落している。中国国家統計局が統計作成の対象としていない地方都市では、さらに住宅価格が下落している都市が多いもようだ。

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