日本はなぜ、極右など右派ばかりなのか

島田雅彦×波頭亮 日本の精神文化のゆくえ(上)

波頭 亮 (はとう・りょう)
経営コンサルタント

1957年生まれ。東京大学経済学部経済学科卒業。82年マッキンゼー・アンド・カンパニー入社。88年コンサルティング会社XEEDを設立。幅広い分野における戦略系コンサルティングの第一人者として活躍を続ける。また、明快で斬新なヴィジョンを提起するソシオエコノミストとしても注目されている。著書に『成熟日本への進路』『プロフェッショナル原論』(いずれもちくま新書)、『リーダーシップ構造論』『戦略策定概論』『組織設計概論』(いずれも産能大学出版部)、『日本人の精神と資本主義の倫理』(茂木健一郎氏との共著、幻冬舎新書)、『プロフェッショナルコンサルティング』(冨山和彦氏との共著、東洋経済新報社)などがある。

日本も1990年代中盤に国家が経済的にも人口的にも成熟期を迎えてそうなっていくかなと思ったのですが、米国以上にラジカルになってしまいました。しかも、今回の総選挙では選択肢のほとんどが極右から右翼。

戦後初めて実質的な政権交代が実現した後に、これからの国の形を問う大事な選挙であるのに、左派的な選択肢がないなかで投票するというのは、民主主義国家としてはやはり不健全だと言わざるをえません。

島田:著しくバランスが悪いと思います。英国の保守は古典派経済学の伝統もあって自由主義と結び付いていますが、一方、大陸のフランス、ドイツなどは社会民主主義的なカウンターパートとしての伝統があります。

ですから、EUを見ると、自由主義的な一派と社会福祉を中心に国家運営を行っていこうという一派がバランスを保って、そのなかでうまく政権交代しながら進んできたというイメージがあります。

その一方で日本の政治が著しくバランスを欠くようになった戦犯を挙げるとしたら、私は小泉純一郎氏を指名したい。彼は自民党非主流派の変わり者で、ジョージ・W・ブッシュ米大統領とがっちり手を組んで、ブッシュ政権8年間に及ぶ新自由主義の良きパートナーたらんとした。

そこから、日本の格差拡大が始まったわけで、彼は極右ではないけれど、やはりラジカルなポジションにいたことは間違いありません。彼が日本に導入した新自由主義というものをどう扱うか、それも大きな問題の1つです。

波頭:ネオリベラリズムは、経済学者ミルトン・フリードマンが主導した市場重視、自由主義を前面に打ち出した経済思想ですが、規制緩和やTPPの問題に大きく影響を与えています。

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