今週の日経平均は1万7000円を超えられない 1ドル102円台の円高を変えることが重要だ
日経平均1万7000円から1万7500円に溜まった7万枚のコールオプションを前にした正念場のせめぎ合いは、売り方有利の体勢で持ち越しとなった。売りの溜まった1万7000円を抜ければ、買い戻しエネルギーは大きく、1万8000円では収まらない可能性もあったが、為替対策ゼロ回答と米国GDPによって102円台になっているドル円環境で、今週1週間で日経平均1万7000円を超えるのは厳しい状態となった。
火曜日の政府による景気対策の内容にもよるが、1万7000円以上のコールの売り方は丸儲けになりそうだ。ただ、主力株の反発が厳しくなって逆に、中小型個別株の復活が早まるかも知れないが。
年表を見ると、アベノミクスの模範であるレーガノミクスは1981年スタートとなっているが、最初はひどい評価を受けて、レーガノミクスと言う称号も無かった。1981年、82年とダウが下がる過程においては、失策としてひどいバッシングを受けていた。知事で少し成功したと言っても、役者崩れのリーガン(当時の日本語表記はリーガンだった。後にレーガンと訂正)の素人政策は、赤字を増やすだけでアメリカをダメにすると言う、それはそれは酷い評価だった。
評価が一変したレーガノミクスから学ぶ
ところが1983年から株が上がり始め、1985年のプラザ合意後の一気のドル安ですべてが変わった。株も景気も更に活況になり、レーガン大統領の政策が国を救ったとの評価に変わった。
レーガノミクス初期のひどい評価、そして成功したのはドル安が原因だったこと、その後の「神対応政策」へと評価は変貌。1970年入社で油の乗り切った10年選手であった筆者の目に、その一部始終がはっきりと焼き付いている。とにかく円高ではだめだ。逆プラザ政策を成功させることがアベノミクスを成功させることだ。円売り介入が無理なら、国債を増発して円を貶(おとし)めることだ。
今週は為替次第の展開だ。このところ続いていた堅調なドルは、米国1.2%のGDP成長率で再びドル安になった。週末の米雇用統計でその流れが変わるか。前回、前々回で上下に大きくぶれている雇用者数が今回もぶれるのか、不安と共に注目される。今週の日経平均予想レンジは1万5800円―1万6900円とする。
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