またベンチャー企業につねに当てはまることですが、創業期に入社し、今では上層部にいるメンバーがこれからも必要とされるような優秀な人材であるかは保証できません。そうした先行者メリットを享受する上司たちともうまくやりながら、力を蓄えて短期で追い抜いてしまうという図太い心があればいいですが、組織自体がまだ流動的な中では「教えて君スタンス」では生き残ることが難しいでしょう。会社からの「教育」はあまり期待しないほうがよさそうです。
冒頭に申し上げたように、本当に経営に近いことを学びたいのであれば、もう少し早い段階のベンチャーに入るべきでしょう。中途半端なリスクヘッジをすると得るものは少ないものです。
ビジネスとコンサルは別物
一方で、コンサルティングファームをお考えとのことですが、ビジネスとコンサルティングは別物です。
一般論で申し上げると、コンサルティングはクライアントの期待値に対して期待値を超えるアドバイスを行いおカネをもらうビジネスといえるでしょう。ビジネスの特性が異なるのです。クライアントはなぜ、コンサルタントを雇うかというと、自分の考えていることよりよいアイデアを得られるからです。またコンサルタントという第三者にアドバイスをもらうことによって、社内外に対する自分の保険となるからです。
ただし、最終意思決定者はあくまでクライアントであり、コンサルタントではありません。こうした違いがあるので、自分はビジネスの主体となることが好きなのか、それともアドバイザーとして価値を出すことが好きなのか、を考える必要があります。
またコンサルも戦略系ではなく、戦略から実行までトータルでサービス提供するファームや、新規事業立案を主軸に置いた中小規模のファームを中心にみております。
ビジネスパーソンとしての成長スピードの加速化を主眼に置くと、コンサルティングファームに入った場合、多くのセクター(産業)と経営テーマにかかわることが最も効果的と考えられます。近年では大きな戦略系コンサルティングファームでは人によってセクターが固定化される傾向があり、昔のようにいろいろなセクターを経験することによって、ひとつの事業会社では得られないようなさまざまな知見を持ったコンサルタントが育成されることが減ってきました。
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