「アピール能力」で就活が決まるわけではない すぐに薄っぺらな考えを捨てよう

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浪人自体は仕方ありません。でも2年分周りよりも多くを学んできた、経験をしてきたと言えないかぎりは、ストレートで4年間を過ごした人たちとの対比でバランスが悪いのです。そしてバランスが悪いということは相手(面接官)によい印象を与えません。

「自分を自分以上に伝える力」がないから就職で失敗したと小林さんはおっしゃいますが、正直、学生レベルのそんな薄っぺらい力は面接官にすぐ見破られますから、根本の理由はそこではなく、バランスの悪さです。過去のことは言っても仕方ありませんから、今後をどう過ごすかが大切です。つまり悪いバランスをどう改善するか、です。

そしてそのための解決策として、何の目的もなく1年留年することは、さらにバランスが悪くなるだけであり、プラスになる要素が見当たりません。それならば自分にとっていちばん厳しく鍛えてくれると思える会社に雇ってもらい、死ぬ気で働き、社会人の厳しさを学んだほうがまだマシです。

やりたいことがないなら、仕事をするべき

「適当な企業」と書かれていますが、世の中に適当な企業なんてありません。どんな仕事も自分のスタンスいかんで、つらいこともある一方で学びもあるものです。適当にするもしないも自分次第です。そこが学生と社会人の違いです。

具体的にやりたいことがなく、何を学んだらよいかわからないのであれば、厳しい環境に身を置く、つまり実際に仕事をしてみましょう。限界まで働ける会社もけっこうありますよ。事実、私を含め多くの社会人がそういった環境で自分を鍛えてきた結果として、今の自分たちがあるのです。決して1年程度で学べるスキルの結果ではありません。

そうすることで、どれだけ自分が小さいか、甘いかが身にしみてわかるはずです。そしてその経験を持てば、1年程度で学べる何かしらのスキルで他人を追い越せるなんて安易な発想は生まれてこないでしょう。

厳しい経験になると思います。しかしその一方で、小林さんとして自分に足りないこと=学ぶべきことが見えてくることも事実です。問題から逃げるのではなく、正面からぶつかる荒療治をしてみましょう。世の中はやってみないことには何も始まりません。学生というお気楽な身分に浸ったままでは、世の中は見えません。

厳しく聞こえるかもしれませんが、長い目で見た際にそれは小林さんにとっていちばんの解決策でしょう。

とことんやって、小林さんが本当のご自分に出会えるであろうことを応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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