能年玲奈「改名」で見えた焦りとかすかな希望 「洗脳」は本当にあった?なぜ「のん」に改名?

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そこで助けてくれたのが、一部で「洗脳した」と報道された演出家・滝沢充子さんの存在。今回、能年さんは改めて洗脳を否定し、「滝沢先生には悩んでどうしたらいのかわからない時に相談に乗っていただきました。しかも、『こうするべき』とか言うんじゃなくて、『こんな選択肢もあんな選択肢もあるけど、れなはどうしたいの?』ってお話をしてくださる方なんです。洗脳報道が出て以来、先生も精神的に参っていて……」と丁寧かつ懸命にフォローしたのです。

X JAPANのTOSHIさんしかり(洗脳あり)、中島知子さんしかり(洗脳なし)。洗脳騒動は時がたてば明らかになるものですが、現段階ではどこにもそれらしきところはありません。その証拠に能年さんは、「前の事務所にチャンスをいただいたことは感謝しています。私、頑張らなきゃ……」と言っていました。これは洗脳の渦中にある人が使う言葉ではなく、むしろ「事務所のおかげでここまで来られたし、私も迷惑をかけてしまったところがあった」という感謝と自戒の意味が込められていたように感じるのです。

阿川佐和子さんを泣かせた言葉とは

阿川さんが、本音なのか、それとも、カマをかける意味なのか。「元気そうでホントによかった」と声をかけたとき、能年さんは「今は元気です!」と即答しながらも、しばらく無言になり、さらに「もちろん想像もしてなかった色んなことが自分に降りかかってきたのは事実です。でも、それが果たして、うつうつと考え込むほど自分にとって重要な事か疑問にしたとき、そうでないと気付きました」と苦しい日々に思いをはせました。

すかさず阿川さんが、「つらいこともたくさんあったでしょうに……」とたたみかけると、能年さんは「そうですね……。洗脳報道もそうですけど、いろんな言葉を浴びてそれと対峙することで自分が成長できたんじゃないかなって今は感じています。つらいこと、無駄なことは削ぎ落とすようになりました」とコメント。

さらに、「何かに囚われるよりも、面白いことをしようというふうに気持ちを切り替えられるようになりました。これからも頑張っていきますのでどうかよろしくお願いいたします」と殊勝に答えました。

私はこれまで数百人の20代俳優にインタビューしてきましたが、23歳にしてこんなフレーズを言える人に出会ったことはありません。百戦錬磨の阿川さんを涙ぐませたことも含め、騒動の真偽はさておき、女優としての資質がいかに高いかを感じさせられました。たとえば、「明るく前向きに生きていながら、実は胸の奥につらさを秘めている」役なら、同年代の誰よりも繊細な演技ができるのではないでしょうか。

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