セカンドライフが返り咲く日は来るのか? 2007年に起きた仮想空間ブーム

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そして2008年から2009年に掛けて、コミュニケーションツールの主役は、文字コミュニケーションが中心のツイッター、そしてフェイスブックへと移っていった。

なぜ、セカンドライフは主役になれなかったのか。当初から言われていたことだが、セカンドライフの難点は、高性能なグラフィックチップを積んだハイスペックのパソコンが必要なことだった。だからこそ、細やかなグラフィックを楽しめるわけだが、そこが最初のハードルだった。

この高いハードルを乗り越えてログインした後も、何をすればいいのか、戸惑うユーザーが多かった。セカンドライフは「汎用のMMOG」であり、コミュニケーションにも、ゲームにも、アートにも、ビジネスにも使うことができる。この現実世界さながらの複雑さこそが最大の特長なのだが、いったい何が楽しいのかを一言では表せない。チャットなどのコミュニケーションや情報共有をするだけであれば、SNSのほうがずっと便利だ。結局、幅広い住人を獲得できなかった。

日本人にとっては、セカンドライフ内の「公用語」が英語であることもきつかった。日本人だけが集まって日本語でチャットを楽しみ、そこに遊びに来た外国人のアバターとは挨拶をするだけで話がなかなか深まらない。そんな苦い思い出が残っている。

仮想空間ビジネスは健在

2007年は「汎用サービス」のセカンドライフに対し、用途を限った仮想世界プラットフォームも続々と誕生している。大手調査会社が「仮想空間」を2007年以降のインターネットにおける重要なトレンドだと喧伝していたことも影響し、仮想空間がインターネット業界のキーワードのひとつだった。

トランスコスモス、フロム・ソフトウエア、産経新聞社は合弁で独自の仮想世界「meet-me」を開始。これは東京に実在する建物や景色をコミュニティー上で再現するというコンセプトだった。サイバーエージェントのアバターコミュニティー「プーペガール」もこの時期に始まっている。また、フィンランドからは子ども向けの仮想世界「Habboホテル」が日本上陸を果たしている。これらのサービスは今でも健在だ。いずれも、セカンドライフのような豪華なグラフィックではない。3Dを捨て、操作性を向上させたものが多かった。

そうした中でセカンドライフは今、どうなっているのか。

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