セカンドライフが返り咲く日は来るのか? 2007年に起きた仮想空間ブーム

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意外に感じるかもしれないが、米国のリンデンラボは健在だ。2010年に人員削減を行っているが、その後は新サービスにも乗り出している。iOSやアンドロイドOS向けのアプリ「クリエーターバース」を販売しているほか、今年に入ってからはSNSの「ディオ」をリリースするなど、新しい柱を打ち立てようとしている。

主柱事業のセカンドライフでも、今年に入ってからは基本パーツをアマゾンでも提供するなど攻勢をかけている。

再び主役に躍り出る?

セカンドライフの基本構造は今でも変わっていない。5年前にブームになる前にもその雰囲気はあったのだが、クリエーティブな人々が集まる、16歳以上の大人のためのコミュニティーというブランドが確立している。セカンドライフ内では、同じ趣味を持った者同士が集まり、お互いに紹介をしつつ、されつつ、コミュニケーションを楽しむ。その様子は、アメリカ人が好むカクテルパーティー文化そのものだ。

セカンドライフがいまいち、日本人にはなじめなかった理由は、英語のせいもあるが、このカクテルパーティー文化の持つ雰囲気だと思う。ここをソツなくこなすことができれば世渡り上手。セカンドライフ内で、ティーンエージャーや20代の若者たちは仮想世界で、ハイソサエティ、ゴージャスを楽しんでいる。パーティーで知り合った恋人と、絶景の中でデートを楽しんだりもしている。

「仮想空間でアバターを操る」という未来的なモデルは、まだ脈々と生きている。そして進化も続いている。話題になるのがちょっと早すぎただけで、人口が急増する時代が、やがてやってくるのかもしれない。

山田 俊浩 東洋経済 記者

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やまだ としひろ / Toshihiro Yamada

早稲田大学政治経済学部政治学科卒。東洋経済新報社に入り1995年から記者。竹中プログラムに揺れる金融業界を担当したこともあるが、ほとんどの期間を『週刊東洋経済』の編集者、IT・ネットまわりの現場記者として過ごしてきた。2013年10月からニュース編集長。2014年7月から2018年11月まで東洋経済オンライン編集長。2019年1月から2020年9月まで週刊東洋経済編集長。2020年10月から会社四季報センター長。2000年に唯一の著書『孫正義の将来』(東洋経済新報社)を書いたことがある。早く次の作品を書きたい、と構想を練るもののまだ書けないまま。趣味はオーボエ(都民交響楽団所属)。

 

 

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