「出身中学」で就職が有利になるのは正しい 「企業が欲しがる人材」はこうして育つ
二 次の詩を読み、後の問いに答えなさい。
しんじゅのぎょうれつ
まど・みちお
まど・みちお
じいちゃんとおふろに入ったとき
ぼく おならが出ちゃった
くすぐったくて おもしろくって
あはあは わらった
ぼく おならが出ちゃった
くすぐったくて おもしろくって
あはあは わらった
ばんごはんのとき そのはなし
ぼくがすると
にんげんのからだから出てくるものが
あんなに 美(うつく)しいんだからなあ…
とじいちゃんが ためいきついた
ぼくがすると
にんげんのからだから出てくるものが
あんなに 美(うつく)しいんだからなあ…
とじいちゃんが ためいきついた
そんなにほめたらおならが
きょうしゅくしますよとパパがわらい
ぼくもママも大わらいした
きょうしゅくしますよとパパがわらい
ぼくもママも大わらいした
だがじいちゃんはまたじまんした
いやあれは ほんとに
しんじゅのぎょうれつだったぞう! と
まるでおならがぼくとおなじに
じぶんのまごででもあるかのように…
いやあれは ほんとに
しんじゅのぎょうれつだったぞう! と
まるでおならがぼくとおなじに
じぶんのまごででもあるかのように…
2014年 開成中・国語 2番より一部抜粋
祖父と孫がお風呂に入っていたとき、孫がおならをした。それを祖父が「真珠の連なり」にたとえたという、ほのぼのとした詩です。
問題に託された重いメッセージ
この問題を目にした私は、大きな衝撃を受けました。テーマはなんと「おなら」。天下の開成中の入試問題におならが出たのです。ちょっと脱力するというか、肩すかしをくらったような気にさえなりました。
この年の開成中の国語は全3問。その1問に「おなら」を出すというのは、決してたやすい判断ではなかったはず。「かなり挑戦的」ともいえます。もっとも、開成中がこの問題に本当に託したかったのは、それよりはるかに重いメッセージだと私は思います。実は今、子どもたちの脳にある異変が起こっており、それが現場の教育者を悩ませているのです。いったいどんな異変なのか? この問題を通して説明しましょう。
この問題で注目すべきポイントは「おなら」ではありません。祖父が孫をかわいがる感情に共感できるかどうかです。
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