「出身中学」で就職が有利になるのは正しい 「企業が欲しがる人材」はこうして育つ
まど・みちお
ぼく おならが出ちゃった
くすぐったくて おもしろくって
あはあは わらった
ぼくがすると
にんげんのからだから出てくるものが
あんなに 美(うつく)しいんだからなあ…
とじいちゃんが ためいきついた
きょうしゅくしますよとパパがわらい
ぼくもママも大わらいした
いやあれは ほんとに
しんじゅのぎょうれつだったぞう! と
まるでおならがぼくとおなじに
じぶんのまごででもあるかのように…
祖父と孫がお風呂に入っていたとき、孫がおならをした。それを祖父が「真珠の連なり」にたとえたという、ほのぼのとした詩です。
問題に託された重いメッセージ
この問題を目にした私は、大きな衝撃を受けました。テーマはなんと「おなら」。天下の開成中の入試問題におならが出たのです。ちょっと脱力するというか、肩すかしをくらったような気にさえなりました。
この年の開成中の国語は全3問。その1問に「おなら」を出すというのは、決してたやすい判断ではなかったはず。「かなり挑戦的」ともいえます。もっとも、開成中がこの問題に本当に託したかったのは、それよりはるかに重いメッセージだと私は思います。実は今、子どもたちの脳にある異変が起こっており、それが現場の教育者を悩ませているのです。いったいどんな異変なのか? この問題を通して説明しましょう。
この問題で注目すべきポイントは「おなら」ではありません。祖父が孫をかわいがる感情に共感できるかどうかです。


















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