「出身中学」で就職が有利になるのは正しい 「企業が欲しがる人材」はこうして育つ

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しかし、私のクリニックに通う受験生のなかには、算数の難問はスラスラと解けるのに、この問題には「おならが一列になった形状が美しいため自慢した」と、的外れの解答をしてしまう子が多かったのです。さらに驚いたことに、母親に同じ問題を解いてもらったところ、子どもと同様の的外れの間違った解答をしてしまうケースが少なくありませんでした。 

この現状に私は、塾任せの偏った学習がもたらす弊害の根深さを痛感し、背筋が寒くなる思いさえしました。この問題は、そんな現状に警鐘を鳴らしているのです。勇気を持って出題してくれた開成中の先生方に対し、子どもの脳機能を見る医師として、私は最大限の敬意を払いたい気持ちです。

「深い思考力」を養う教育が足りない

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今、世界各国では、国の存亡をかけエリート教育にしのぎを削っています。国際競争が厳しさを増すなかで、エリートを育てないかぎり国の豊かな経済は維持できないからです。

ところが日本は、エリート教育が明らかに立ち遅れています。それは、生きていくうえで必要となる「深い思考力」や、もっというと「人間力」を養う教育が足りないからではないかと思えてなりません。

そして、そんな日本を救えるのは、それらをバランスよく問う中学受験という経験ではないかと確信しています。

吉田 たかよし 医学博士

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よしだ たかよし

1964年生まれ。本郷赤門前クリニック院長(受験生専門の心療内科)、新宿メンタルクリニック顧問(受験うつ)、学習カウンセリング協会理事長、人間情報学会理事。灘中学・灘高校・東京大学工学部卒。東京大学大学院工学系研究科を修了後、NHKアナウンサーとして活躍。北里大学医学部を経て東京大学大学院医学博士課程を修了。その間、加藤紘一元自民党幹事長の公設第一秘書も歴任。

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