「出身中学」で就職が有利になるのは正しい 「企業が欲しがる人材」はこうして育つ
これは企業側にも確実にメリットのある正しい判断だと、私は思っています。というのも、有名中学の入試問題は、単に暗記力や計算力を問う“偏差値主義”ではなく、子どもの生活感や人間力にまで迫ったものだからです。深い思考力や情報処理力を問う、練りに練られた内容なのです。このへんを世間の多くの人は誤解しています。
灘校時代のある同級生は、東大を経て現在、某大企業の人事責任者を務めています。彼によると、有名中学の高度な入試を突破した人材は、社会人になると世界に通用するビジネスを展開してくれるので、多くの一流企業が競って採用したがるそうです。同じ東大卒でも、有名中学の入試を突破した人とそうではない人で、“就職格差”が生まれようとしているわけです。
「覚える入試」から「考える入試」に
2020年に「大学入試センター試験」が廃止され、暗記力重視の“覚える入試”から、グローバル・スタンダードに基づいた思考力重視の“考える入試”に方針転換されることが、昨今話題となっています。
そんな“考える入試”は、ずっと以前から有名中学では実施されてきたことです。 何も今に始まったことではないのです。つまり中学受験を経験することで、これから大学入試で必須とされる「考える力」を、早い段階から磨くことができるわけです。
入試問題を作成する有名中学の先生方は、塾で教えるような受験テクニックだけでは合格できない問題を、工夫に工夫を重ねて丁寧に作っています。有名中学の入試問題には、学校と自宅と塾を行き来して子どもらしい生活を送っていない“ガリ勉“を排除するような要素が、明らかに意図的に盛り込まれているのです。
そもそも、中高一貫校を卒業した先にある東大入試(2次試験)では、知識を詰め込んだだけでは解けない、奥深い思考力が問われます。
中学入学時点で自分の頭でしっかり考えることのできる子を入学させたいのは、受け入れる有名中学の先生の立場からすれば当然のこと。そうしないと入学後に当の先生たちが中高6年間で苦労させられるからです。
では、中学受験では、どんな能力が問われるのか。有名中学の過去問を下敷きに紹介することにしましょう。
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