自分のレベルを上げるには「目標」が必要だ 選択肢は自分で狭めるべきではない

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まず、「目標」。ゆゆさんも言われているように、目指したい目標は逐次変更してかまいません。本連載でも何度も述べていますが、やはり自分を取り巻く内的および外的な環境が変わっていくことを前提に、人生設計、キャリア設計をせざるをえない以上は、長期目標を無理して立てるのではなく、そのときの自分にとってベストだと自分で信じる短期の目標をその都度立て、確実に目標をクリアしていく。そしてクリア後はその次の目標を立てるほうが合理的であるわけです。

ちなみに内的とは自分の考え方や価値観、自分にとっての優先順位といった要素です。これらは経験や自分のレベルによって当然、変わりうるものです。一方で、外的要因とは勤務先の状況が大きく変わってしまったとか、想定していたキャリアモデルが大きく変わってしまったといった、必ずしも自分の力では何ともしがたい要素です。これらも時代の流れや競争環境などによって当然変わりうるものです。

そういった自分を取り巻く広義の意味での環境が不確実性に支配されている以上は、柔軟性で対応しよう、そういった考え方です。

「可能性」を広げるための選択をしていく

さて、もう一方の「可能性」。結論からすると、これも目標同様に可変性のものです。そもそも自分の持つ可能性をどんどん広げるために、私たちは日々努力をしているのでしょう。自分自身の持つ可能性が広がることを信じているからこそ、私たちはそれぞれのステージで目標を定め、それらをクリアすることでそれまで見えなかった自分を取り巻く世界を見ようとしているのではないでしょうか。

ですから、継続的に可能性を考えるためにはどうすればよいかとのご質問については、可能性は可変性のものであるという前提の下に、今の自分にとってクリアするのが難しい目標を随意立てて、可能性を広げるための選択を日々すればよい、ということになります。

私自身の例を挙げますが、キャリアはベンチャー企業でスタートをしています。ITバブル崩壊直後のベンチャーを皆が敬遠する時代、そして新卒でベンチャーに入るのが一般的では決してなかった時代です。

なぜか? ほかの皆がやらないことのほうが、大多数とのキャリア上の差別化という意味で将来の自分の選択肢と可能性が広がると思ったからです。そして自分自身が大きくかかわった会社が上場した数年後、今度は海外のビジネススクールに行ってMBAを取得し、帰国後は戦略コンサル会社に勤務しました。

なぜか? そのほうがベンチャーだけの経験よりも、「ベンチャー経営経験×戦略コンサル」の相乗効果で自分にとってのキャリア上の選択肢=可能性が広がると信じたからです。

上場準備中にも勉強する時間を捻出し、海外の財務や会計系の資格を3つ取得しています。これも「英語×数値スキル」の相乗効果で周りとの差別化を図り、将来の自分にとってのキャリア上の選択肢=可能性を広げることに寄与すると考えたからです。

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