ヤマハ、楽器大手の真髄 ウィーン・フィルの立役者、岡部常務に聞く

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ウィーンフィルを中心とした一部の楽団でのみ使用されるウィーン式管楽器は、フレンチスタイル(アメリカ式)やドイツ式の楽器と比べて需要が少なく、手掛ける楽器メーカーの減少によって存続の危機に立たされていた。

ウィーン式管楽器の開発が始まった翌年に私は入社しました。ウィーン式の楽器は量産化されていない手作りの楽器が多いのです。メーカーも小規模な会社が多く、ドイツの大きな会社で従業員100人くらいの規模。一方、フランスやアメリカ、イギリスのメーカーは、バンドのための楽器を作るので、生産数量が1ケタから2ケタ違います。

そうすると、設備投資をするし、設計はどんどん合理的になる。生産数量が増えるから、そちらが楽器として主流になります。また、改良の過程でいろいろな要求を受けるため、音の性格がどんどん変わっていきます。それに比べると、ウィーン式の音はなかなか変わらない。どちらかというと時代に取り残された楽器ですが、昔の作曲家がイメージした音には一番近い楽器です。

ウィーン・フィルで採用されている「ヤマハ製」

78年にはオペラ『アイーダ』で使用されるトランペット12本をヤマハが製作、翌年のザルツブルク音楽祭で、大指揮者カラヤンの絶賛を受ける。80年にはウインナオーボエの試作1号機が完成。現在も、ウィーンフィルでは、オーボエ、ホルン、フルートなどのセクションで、ヤマハ製が採用されている。

(ウィーン式に限らず)管楽器を開発する上では、いろんな奏者に楽器を吹いていただいて、良いか悪いかを判断します。バックやシルキーなど、競合メーカーの場合は、開発者自身がプロの演奏家で、自分がほしい楽器、自分がほしい音を開発していました。

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