コマツ、社長交代に見える脱カリスマの布陣 名経営者・坂根正弘会長が相談役へ
建設機械大手、コマツの新社長に内定した大橋徹二(=タイトル下写真右=)氏は、英語力抜群の技術者だ。V字回復や経営改革を進めた坂根正弘・前社長(現会長)、野路國夫社長(=タイトル下写真左=)が築いた「コマツウェイ」を引き継ぎ、世界中にアンテナを張り巡らせて、コマツをより強くするための、ビジネスモデル構築を進める。
コマツは1月29日、野路社長(66)が4月1日付で代表権のある会長に就き、後任に大橋専務(58)が就任する人事を発表した。坂根会長(72)はいったん取締役相談役に就き、6月の定時株主総会後に相談役・特別顧問に就任する。
6年ごとの社長交代
コマツでは3代前の片田哲也氏以来、安崎暁氏、坂根正弘氏と6年ごとの社長交代が恒例となっている。今2013年3月期で、現在の中期経営計画が終わることもあり、トップ交代は確実視されていた。
今回のトップ人事で目を引くのは、坂根会長が6月で取締役会のメンバーを外れることだ。
坂根会長(=左写真=)は、大胆な構造改革によってコマツをV字回復に導いた。カリスマといってもいい、日本を代表する名経営者の1人である。「会長に就いた後も経営には口出しせず、取締役会の議長として野路社長をサポートする役割に徹してきた」とコマツ関係者は言うが、コマツの収益をV字回復させた立役者である坂根会長が、取締役会構成メンバーとして、コマツの経営方針にまったく影響力を発揮してこなかった、ということでもないだろう。坂根会長の存在は、コマツにとって大きかったはずだ。
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