チマチマした原価改善で顧客は喜ばない

野路國夫・コマツ社長に聞く

中国需要の低迷、鉱山機械の失速――。暗い話題が続き、建設機械業界が勢いを失う中、国内最大手のコマツが次のステージに向け、成長に向けた施策を打ち出している。キーワードは「構造改革」と「イノベーション」だ。野路國夫社長を直撃した。

コマツが抱える問題は政府と同じ

――今のコマツにとっての最重要事項は何ですか。

成長のために、構造改革をやり続けることです。構造改革には、国内で300億~500億円使ってもいいと言っています。電力使用量半減などで生産固定費を落としつつ、開発費をどんどん増やし、イノベーションを起こすような商品を開発する。建機業界で、コマツは米キャタピラーに次ぐトップ級で走っています。トップを走っているメーカーには、イノベーションを起こす責任があると思います。

固定費に関してだけでも、コマツにはさまざまな問題があります。生産固定費を下げなければならない一方で、開発人員は増やさなければいけない。新入社員をどんどん入れ、高齢の社員も65歳まではちゃんと雇わないといけない。年金などたくさんの問題を抱える、政府と一緒です。

ただ、政府と違うのは、われわれはこれらを同時に、いっぺんにやらなければいけないことです。どれも大事で、順番は付けられない。会社が政治家のように「増税の前にやることがある」などと言っていては、社員が疲弊してしまいます。経営者からすると、構造改革と成長戦略を同時にやらなければならないのは明白です。

――国内工場の電力使用量半減を打ち出してから約1年半経ちますが、順調に進んでいますか。

今、アイデアのレベルで電力を40%削減可能なところまで来ました。50%削減しようとするのですから、アイデアのレベルで60%分くらい出さないといけません。50%減らすというのは大変なことです。あと2~3年は取り組みを継続します。

電気料金だけで、20億~30億円の固定費削減効果を見込んでいます。生産改革をする間に生産性も上がるでしょうから、低減できる固定費は100億円は下らないでしょう。

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