歯がなくなったあの人に伝えたい本当の危険 失ったまま放置していると大変な目に遭う
あなたはちゃんと歯のメンテナンスができていますか?筆者は歯科医師としての知見や経験を基に、歯や口周りの情報を「ムシバラボ」というサイトで発信していますが、その中でも強く訴えていることの一つが、歯周病の予防と治療の重要性です。
日本歯科衛生士会ホームページより概要を抜粋しますと、歯周病とは「歯肉・歯根膜・セメント質・歯槽骨で構成される歯周組織が、口の中の細菌感染によって破壊される慢性炎症性疾患のこと」で、成人だけではなく小・中学生などの若年層も多く罹患(りかん)しているとされています。
歯をしっかり磨いていても、気づかずに…
適切に歯磨きができていないと、健康な歯ぐき(歯肉)に炎症が起こり、それを改善しないまま深部の歯周組織まで炎症が波及すると、歯と歯肉の境目の溝が深くなり、歯周ポケットが形成されます。これが重症化してしまうと歯がぐらつき始め、残念ながらたくさんの歯を失ってしまうことになりかねません。しかも歯をしっかり磨いていても、気づかずに歯周病になっている人がかなり多いのです。
歯周病がもたらすさまざまな弊害は「歯周病という身近な病気の恐ろしすぎる真実」(2月7日配信)で詳しく解説しましたが、今回は歯が抜けてしまうことそのもののリスクについてお伝えしたいと思います。ひとたび歯を失うと、だんだん他の歯もなし崩し的に失ってしまうことが多く、「あっという間に歯がなくなってしまった」ということも少なくありません。そして、歯がなくなると健康面や寿命の面でも不利になることがわかっています。
2015年、日本歯科医師会は「歯や口の中の健康を保つことが全身の健康につながる」ことを国民に広く知ってもらうために、国内外の歯科に関する1000件以上のデータを分析して、「健康長寿社会に寄与する歯科医療・口腔保健のエビデンス2015」という資料を公開しました。
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