歯がなくなったあの人に伝えたい本当の危険 失ったまま放置していると大変な目に遭う
歯がなくなると、健康状態にどのような不具合が出てきやすくなるのでしょうか。
1. 転倒しやすくなる ― かみ合わせがしっかりとしていることは体のバランス感覚を保つうえでも重要であり、歯がなくなってうまくかみ合わせられないと転倒しやすくなります。
2. 認知症を発症しやすくなる ― かむことは脳を刺激します。歯がない人ほど認知症にかかりやすいことがわかっています。
3. 生活習慣病にかかりやすくなる ― 重度の歯周病があってどんどん歯を失う人は、心筋梗塞や狭心症などの心疾患、脳卒中などの脳血管障害、糖尿病などにかかりやすくなります。また、胃や腸などの消化器官のガンも引き起こしやすくなるとされています。
健康で長寿を目指すため
厚生労働省と日本歯科医師会は1989年より、8020(ハチマルニイマル)運動を推進しています。これは、80歳で20本の歯を残すことを目標にしよう、という運動で、20本あればおいしく食事を楽しむことができ、それが健康につながるというものです。
その結果、日本ではあらゆる年代層において、年々残存歯の本数が増えてきている傾向にあります。80歳での残存歯数は1999年に行われた厚生労働省による歯科疾患実態調査では、約8本という結果でしたが、2005年では10本、2011年では13.9本という具合でだんだんと増えてきています。
このように8020運動は功を奏していると思われますが、しかし、他の先進国と比べた場合、スウェーデンでは80歳で平均21本、アメリカでは80歳で平均15.1本と、日本はまだまだ努力が必要だと言えるでしょう。
日本は世界でもトップクラスの長寿国です。ただ、決して健康寿命はトップクラスではありません。健康で長寿を目指すために、まずはお口の健康を保つということが大事なポイントの一つだといえます。
「すでに失った歯がある」と落ち込む必要はありません。歯を失ってもきちんと治療をし、かめるようにして日常のお手入れ、歯科医院での定期的なメンテナンスをしっかりしていけば大丈夫です。歯を失って放置していると、かみ合わせが壊れてしまい、他の歯までダメになってしまいます。歯を大切にして全身の健康も目指していきましょう。
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