このコラムでは、『会社四季報』の会社名の横にある「矢印の向き」に注目してきました。矢印は、業績予想の変化を意味しています。このコラムで紹介している株式投資法は、株価が、この矢印の向きに反応すると仮定して、売買する銘柄を選別して、さらに売買のタイミングを探る行う方法です。
遠藤照明の上昇は震災前から「予想」できた
東京デリカ(9990)やネクスト(2120)、不二サッシ(5940)、長谷工コーポレーション(1808)などを取り上げて、過去と現在を分析しました。そして、投資家の皆さんには、最も知りたい将来の予想を行いました。もちろん、紙面の制約上、およその見通しではありますが、幸いなことに、どれも的中して、多くの反響を得ています。
さて、今回は遠藤照明(6932)を取り上げます。この会社は2011年3月の東日本大震災後に、省電力の要請から大きく上昇して、昨年10月には3850円という高い株価をつけました。けれども実は、大震災前にはすでに、上昇の「芽生え」がありました。この「芽生え」を事前にキャッチできたかどうかが大化け出世株を発見できたかどうかのポイントです。
この会社は、時流に乗った幸運な会社でもありました。橋下徹・現大阪市長の「大阪都構想」、あるいは東京証券取引所と大阪証券取引所の提携や合併の話題など、他にもいくつかの盛り上がるきっかけが、この会社を取り巻いていたのです。
株式投資で上昇を続ける銘柄とは、実はこのように、何かのきっかけが複数に重なる会社であることが多いのです。「きっかけ」は株式市場で注目されるテーマや話題、あるいはその会社の業績を一気に押し上げる新商品やサービスなどです。
2段、3段のロケットのように上昇、適度な押し目、そして再度上昇、という長期上昇パターンになれば、大きく出世する株になります。つまり、一つ一つは小さいものでも、積み重なれば大きくなり、時にはテーマや話題の相乗効果によって、株価が2倍や3倍または数年で10倍近くなることもあります。
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