海上自衛隊がインド洋での活動を止めるとどうなるか?

海上自衛隊がインド洋での活動を止めるとどうなるか?

民主党参議院議員・藤末健三

テロ対策の国際的枠組み

11月1日にテロ対策特別措置法が期限切れとなり、インド洋上の自衛隊のアメリカ軍、イギリス軍などに対する給油活動、海上阻止活動が中止となります。与党は新しい法律「補給支援活動特別措置法案」を国会に提出しましたが、11月1日までの成立は難しいでしょう。給油活動・海上阻止活動を行わないと、「日本はアメリカから孤立し、国際的な批判を受ける」との論調があります。今回は、それが本当かを考えてみたいと思います。

まず、自衛隊のインド洋上での活動は、右図のようになります。
 テロ対策を目的とする活動には
【1】不朽の自由作戦(OEF:Operation Enduring Freedom)
【2】国際治安支援部隊(ISAF:International Security Assistance Force)
【3】地方復興チーム(PRT:Provincial Reconstruction Team)
【4】国連アフガニスタン支援ミッション(UNAMA:United Nations Assistance Mission in Afghanistan)
がありますが、わが国が参加しているのは、不朽の自由作戦(OEF)の一部をなす海上阻止活動(OEF-MIO)です。

ここでは、海上自衛隊の海上阻止活動の場所について「インド洋」と説明されていますが、実際に海上自衛隊が活動している場所を見ると、私たちが思いつくインドの周りといったインド洋ではなく、下図のようにサウジアラビア半島の下で活動していることがわかります。
 海上自衛隊はそこで、他国の軍艦や給油船に燃料や水を提供するとともに、テロの武器輸送や麻薬の取り締りをやっているのです。

問題はここです。海上自衛隊の活動が、実際にはアフガニスタンのOEFだけでなく、イラクでの米軍の活動支援を行っているのではないかと危惧されているのです。もし、イラクで活動する米軍の支援も行っているのであれば、完全に「テロ特別支援法違反」となります。

政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 賃金・生涯給料ランキング
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 世相をリアルに映し出す 流転タクシー
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
トレンドライブラリーAD
人気の動画
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
イオン「フジ実質買収」で岡田会長が語った未来図
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
採用担当者が嘆く「印象の悪い就活生」の共通点
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
ヤマト独走に待った!佐川・日本郵便連合の勝算
ヤマダ、社長離脱でにわかに再燃する「後継問題」
ヤマダ、社長離脱でにわかに再燃する「後継問題」
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
私大トップ校の次の戦略<br>早慶上理・MARCH・関関同立

受験生確保や偏差値で高い水準を誇る関東・関西のトップ私大13校。少子化や世界との競争といった課題に立ち向かうための「次の一手」とは。大きく揺れる受験動向や、偏差値や志願倍率と比べて就職のパフォーマンスが高い大学・学部なども検証します。

東洋経済education×ICT