関西経済はどこで「強み」を発揮できるのか どないやねん?ポスト橋下の大阪・関西
左図は、首都圏(東京、千葉、埼玉、神奈川)と中京圏(愛知、岐阜、三重、静岡)も含めて、主要な産業別の伸長倍率を全国平均と比べてみたものである。京阪神経済は、(ここに示した分野以外も含めて)すべての産業分野で、全国平均をはっきりと下回っていることがわかる。一方で、首都圏は、「不動産」「運輸業/情報通信業」で圧倒的な拡大傾向をみせている。中部圏は「製造業」において、圧倒的に伸びている。
つまり、首都圏は、技術革新と一極集中の影響の大きい「情報サービス」「不動産」「金融」などを中心に、第二次産業から第三次産業に構造展開を果たして、大きく発展した。中部圏は第三次産業の一定レベルの発展はさせつつも、「自動車産業の拡大・維持」で発展しつづけた。一方で、京阪神経済は特徴を持った発展ができず、結果、他の地域に比べて成長力が鈍化してしまった。
相対的に強みのある産業
ここまでの、関西経済において「歴史的にみて相対的な地位を拡大させた産業があったのか?」という分析では、残念ながら否定的な結論となった。では「相対的に強みのある産業」はないのだろうか?
1つの考え方として、その地域内から他の地域へ提供(国内移出・国外輸出)できている金額が大きい産業は、強みを持っている産業だと考えることができるだろう。
経産省が公表している「地域間産業連関表(53分類)」を使って近畿圏、中部圏、関東圏それぞれで移出・輸出額の大きい15産業を抽出し(3地域で重複を除くと24産業)、共通点の大きそうな産業分野をくくって、6領域にまとめたのが上図である(最新データが平成17年しかないため、約10年前のデータであることを考慮する必要がある。なお、ここでの地域割りは、地域経済産業局の区分に従う。近畿は福井を含む2府5県。関東には新潟、山梨、長野、静岡を含む。中部は愛知、岐阜、三重、富山、石川)。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら