関西経済はどこで「強み」を発揮できるのか どないやねん?ポスト橋下の大阪・関西

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

右図は、2015年当初に作ったグラフである。その時点でも、すでに「インバウンドブームはいつ終わるか?」という議論もあった。しかしながら、われわれは、このグラフを見てまだまだ伸びるだろうと確信していた。

実は、2012年以降の急激な伸びは、2008年のリーマンショック、2011年の震災による停滞を取り戻して、元のトレンドに戻っているだけだったのだ。

海外旅行をする人の総数は、これからも急増すると予想されている。UNWTO(世界観光機関)の推計によると、世界の海外旅行をする人の数は、2010年の9.4億人から2020年には14億人、2030年には18億人と驚くべきペースで増加していく。この傾向は、アジアを中心とした途上国の経済成長によるところが大きい。ほぼ「確実におこる未来」である。

そもそも、「ある国の人が海外旅行に出かける度合い」というのは、かなり正確に予測することができる。要するに「豊かになれば、海外旅行に行く」ようになる。あとは「各国の人が、どれぐらい自分の国を選んでくれるか?」(日本選択率)ということによって、インバウンド客数が決まってくる。

日本は行ってみたい有数の国の1つ

では、日本の選択率がこれからどうなるか? 世界中で、アジアを中心とした急増する観光客の獲得競争が始まっている。日本もようやく、その市場に名乗りをあげたばかりであり、今後、他国との競争に劣後し、日本の選択率が低下する可能性もゼロではない。

しかしながら、その結果として、日本の外国人観光客数ランキングは2014年時点で世界22位、2015年の1974万人を当てはめても16位相当である。一方で、世界経済フォーラムによる、「旅行観光競争力ランキング(2015年版)」における日本のランキングは9位。米国のFuture Brand社「Country Brand Index(2014-15)」では、観光ブランド分野でなんと、2位。世界中の人にとって、日本は「行ってみたい有数の国のうちの1つ」なのである。

次ページまだまだ低い日本選択率
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事