関西経済はどこで「強み」を発揮できるのか

どないやねん?ポスト橋下の大阪・関西

まず、中部圏は「自動車系ものづくり産業が優位」であることが、はっきりわかる。そして、関東圏では「ほぼすべての領域で優位」なこともわかる。中でも「情報通信サービス等」の領域は、完全に一極集中している状況だ。近畿圏では絶対第1位の領域が存在せず、残念ながら、絶対的に強みのある領域は見当たらない。しかしながら、一定程度の競争力が期待できる領域はある。

「領域1-1.素材系ものづくり」領域は関東に対して0.9倍と、一定の強みがある。個別には「鉄鋼」「金属製品」が1位である。「領域1-2.電子系ものづくり」にまとめた領域でも、相対比0.9倍と、かなり競争力がありそうだ。実際、その中の「民生用電気機器」は第1位で、「電子部品」などをはじめ、1位ではないものの、相対的に優位性を発揮できそうなものが多い領域である。「医薬品」についても、相対比0.6、単独で1兆円以上の金額がある。関連する発展可能性のある分野も想定され、「領域2.ライフサイエンス」として可能性がありそうだ。

さらに「商業」「飲食料品」「運輸」「対個人サービス」などを含む「領域3-1」がある。この領域は、いわゆる「インバウンド銘柄」ともいわれる産業が多い。領域3-2同様、移動・輸送コストの低下、情報技術の発展などにともなって、製造業以上に一極集中が進みやすかった産業ではあるが、領域3-2と比べると、本質的に、地域性分散性が求められる性格もあり、完全に一極集中が進む領域でもない。規模も14兆円と非常に大きく、これからが期待される領域である。

期待できる3領域はこれだ

関西からの実質輸出の水準は、2013年後半以降、日本全体の平均を若干上回る水準で推移しているが、中でも「食料品および直接消費財」「非耐久消費財」の輸出が2010年対比、この1年以上、140~160という水準で推移している。輸出が伸びている品目を仔細に見ると、「酒類や調味料、菓子類」「化粧品や歯ブラシ、文房具といった日用品」など、訪日外国人が日本滞在中に購入して満足した商品群と非常に近い。日銀大阪支店の分析によれば、「①海外の個人消費が比較的堅調」「②アジア地域の所得増加に伴う購買力の上昇」という地盤に加え、「③メイド・イン・ジャパン効果」の影響が大きいという。

日本にやってくる訪日外国人のインバウンド市場を、ただ単に突然現れた、観光市場とだけみると、本質を見誤る。2030年には中国のGDPが米国を上回るといわれている。同じ頃、ASEANのGDP合計額は、日本のGDPを上回る。こらからの20年、世界の成長を牽引するのは間違いなくアジアなのである。そして、その最も近くにある先進国が日本であり、最も近い都市圏の1つが関西なのである。「領域3-1. 商業・飲食料品・運輸・対個人サービス」はインバウンドをきっかけとして、「アジアの成長を取り込める産業領域」として位置づけられるべきだろう。

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