財産が300万円でも、遺言書を書いてもらう

必ずもめる相続税の話(3)

生前の親自身の取り分が定まれば、おのずと誰に何をどの程度、残すのかも決まるでしょう。家族の特定の誰かに面倒をかけてしまうなら、その人に財産を多く残すのが筋だからです。

遺言書の内容は「不平等で当たり前」

介護など「生前に親にしてあげたこと(寄与分)」と、お金の援助など「生前に親からしてもらったこと(特別受益)」が、兄弟間でまったく同じはずがありません。してあげたことが他の兄弟より多いなら、その分多くもらってもよいし、してもらったことが他の兄弟より多いなら、その分遠慮するのが自然です。

生前のうちに平等ではなかったのなら、相続は「不平等でも当然」です。生前の「してあげた」「してもらった」を、相続の財産分けのときに考慮し、精算した方が公平だと感じる人は多いでしょう。子どもたちの全員に、財産を「平等(単に全員に等しく)」には分けられないし、そう分けるのは「不公平(個別の事情を考慮していない)」だと、親が理解できれば、遺言書の必要性もより分かってもらいやすいはずです。

民法には、これらを考慮しなさいという記載はありますが、「じゃあ、どう考慮したらいいのか」という、金額や割合の基準はありません。これを話し合いで決めるのは困難です。

子どもがある程度納得できるように、遺言書で公平に財産を残すことは、「してあげた」「してもらった」両方の立場である親にしかできないことなのです。

次ページ納得のいく「不平等分配」ができるのは親しかいない
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