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キャリア・教育 #宇宙を目指して海を渡る

子をMITに入れたいならば 家庭と小学校の教育はいかにあるべきか

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  • 小野 雅裕 NASAジェット推進研究所(Jet Propulsion Laboratory)技術者
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もしあなたがいじめられっ子でも

小学校ではクラスメイトとも良い思い出は多くはなかった。同年代の子たちの間で流行している歌もドラマも大して知らなかったから、クラスでの会話に付いていけなかった。勉強はできるくせに運動はまるでダメだった。

友達が家に遊びに来ても、マンガもゲームもほとんど持っておらず、代わりに紙で自作した宇宙船の模型を見せびらかしたりしていたから、「オノの家に行ってもつまらない」と公然と言われたのも仕方あるまい。

当然、いじめられた。とはいえ、ニュースで時々耳にする、自殺した小学生が受けていたような無慈悲ないじめと比べれば、だいぶましだったとは思う。プロレス技の練習台にされたり、持ち物を隠されたりといった程度のものだったから、わざわざ書き立てるほどのことはないのかもしれない。仲良くしてくれる友達もいた。

だが、それでも当時の僕は悩んでいた。運動神経が良くてマンガやゲームをたくさん持っているクラスの人気者と比べて、自分がとても矮小な存在のように思えた。

でも今なら胸を張れる。いじめっ子たちは僕よりも運動ができたが、スポーツ選手になった人はいなかった。いじめっ子たちは僕よりも流行の歌やドラマについてよく知っていたが、歌手や俳優になった人はいなかった。僕はいじめっ子たちよりも宇宙についてよく知っていた。そして僕は研究者になり、NASA JPLで宇宙開発をすることになったのだ。

僕は小さい頃から、自分は普通ではない、変わった人間であることを自覚していた。そしてそれにコンプレックスを持っていた。しかし歳を重ねるにつれ、人と違うことがむしろ自分の強みであることがわかってきた。

だから、もしいじめで悩んでいる子がこの記事を読んでくれているなら、どうか知ってほしい。あなたが今いじめられている理由が、10年後にあなたが評価される理由になるだろうということを。

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