岡島悦子「勉強や資格より、実践と人間力」 まずはバッターボックスに立つ
人間力を高める方法
問題は「人間力」というビッグワードである。「人に動いてもらうための原動力」ということだと思うが、私はこれを「心のスイッチ」を「探す力」と「入れる力」と定義している。
人間力を高める方法は「技術」としてはなかなか確立していないが、高めている方を観察していると大きく2つのタイプに分けられるのではないかと思う。EQが高いタイプとIQが高いタイプである。
私は、比較的右脳型のEQタイプなのだが、こういったタイプの人は「動かすべき人たちはどんな事象にワクワクするのか」「本心で納得しているのか」「誰がこの組織のボス猿なのか」といったことを、直観的に掴むことが得意である。こういうタイプの人は、場数を踏んでいくことによって、心のスイッチの探し方の感度を磨くことができる。また、心のスイッチの入れ方たるコミュニケーションについても、仮説検証の結果をある程度は自身で判断できるので、繰り返しによって精度を上げていくことが可能になるようだ。
一方、IQが非常に高くてもEQが低いタイプの人もいる。こういうタイプの方に「人間力をあげる方法」を質問されることが多いが、「よく観察して感じる」というアドバイスは効果がない、ということが段々とわかってきた。感じるポイントがわからないから困っているのだと言う。
このタイプでEQを後天的に上げた方を拝見していると、「EQをIQで担保する」という方法を用いている方が多い。