DeNA、LINEの台頭に歯ぎしり 有力ネット企業トップが語った13年の「強気」と「弱気」(上)

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メッセンジャーではLINEに後塵を拝すDeNAだが、主力のソーシャルゲームでは海外事業で実績が出始めていることを強調した。

DeNAは06年7月に中国・北京で子会社を設立しており、さかのぼれば海外展開の歴史は古い。その後アメリカにも進出したが、「最初はすごい苦しんだ」(守安社長)という。

日本でモバゲー(当時はモバゲータウン)は流行っていたが、フィーチャーフォン(従来型携帯電話。いわゆるガラケー)の場合、端末のスペックが国ごとに大きく異なる。海外ではゼロベースでコンテンツを作らなければならないことが、海外展開を進める上でのボトルネックとなっていた。

守安社長は「スマホが普及することによって、日本のコンテンツもそのまま世界に持っていけるのは本当にいい、幸せな時代になった」と説明。「海外のアプリベンダーも同じことを考えるので競争が激しいのでは?」との真田社長の問いには、「頑張ればチャンスがある。それも含めて楽しい時代」と答えた。

ソーシャルゲームの海外展開は弱音もポロリ

対照的に、”弱気節”も飛び出した。gumiの國光社長は、サイバーエージェントの子会社サイゲームスがモバゲー向けに提供している「神撃のバハムート」が12年6月、アップルのアプリ販売サイト、アップストアで1位を獲得したことを上げ、「これで完全に世界を獲ったと思った。しかし、その後アップル向けに申請したゲームをことごとくリジェクト(拒否)された。今は本当に海外展開が上手くいくかはわからない」と嘆いた。

日本の開発会社はガラケー時代に培ったウェブブラウザの開発ノウハウはあるが、アプリの開発は世界で横一線と言える。守安社長は「ゲームのイベントの手法やシステムで世界で戦える」とするが、スマホ全盛期の時代にアプリでどれだけ良質のゲームを提供できるかが、生き残りのカギを握る構図が浮き彫りになった。

二階堂 遼馬 東洋経済 記者

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にかいどう りょうま / Ryoma Nikaido

解説部記者。米国を中心にマクロの政治・経済をカバー。2008年東洋経済新報社入社。化学、外食、ネット業界担当記者と週刊東洋経済編集部を経て現職。週刊東洋経済編集部では産業特集を中心に担当。

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