DeNA、LINEの台頭に歯ぎしり 有力ネット企業トップが語った13年の「強気」と「弱気」(上)
初日の一発目に行われたセッションのテーマは「世界に打ち勝つ会社・サービスの創り方」。ソーシャルゲーム開発会社KLabの真田哲弥氏がモデレーターとなり、NHN Japanの森川亮社長、ディー・エヌ・エー(DeNA)の守安功社長、グリー向けにソーシャルゲームを提供する開発会社のgumi(グミ)の國光宏尚社長がパネラーを務めた。
セッションの話題の中心となったのが、やはりLINEだ。
NHN Japanの森川社長は、初期費用・月額費用ともに5250円(6月末まで初期費用は無料)で利用できる店舗・メディア・公共団体向けのビジネスアカウント「LINE@(ラインアット)」を紹介。「ポータルサイト中心のPCと違い、スマホはコミュニケーションのハブ(軸)が重要。LINEが(ユーザーの)ライフスタイルのプラットフォームになりたい」と壮大な目標を語った。
DeNAはCommの参入を1年半以上前から検討
対してDeNAの守安社長は、韓国のカカオトークが流行っている1年半以上前から、無料通話・無料メールアプリへの参入を考えていたことを明かした。しかし、参入時期には後悔があるようだ。「本来もっと早くやれば良かった。後発だが通話の品質、実名性という点で差別化したい」(守安社長)。
DeNAのcommはサービス開始後の出足が好調だったことから、13年夏に達成を見込んでいた登録ユーザー1000万人突破の目標を12年内に前倒ししていた。ところが、年明け1月10日に発表された登録ユーザー数は500万人にとどまり、計画値の半分に伸び悩んでいることが判明した。
メッセンジャーと呼ばれるスマホの無料通話・無料メールアプリの市場は、60億人と言われるほど規模が大きいが、参入が容易で競争も激しい。日本ではcommがサービスを開始した同月に、ヤフーがカカオジャパンと資本・業務提携を発表。commに負けじと大規模な広告宣伝費を投下しており、LINEの1億人突破も含めてこうした競合の躍進が、DeNAとして当初描いていた成長曲線に到達しなかった要因となった可能性が高い。
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