DMMの「帝王」は昔、寝てばかりの若者だった モンストで再起した男と語る仕事、カネ、未来
岡本:まあでも、何がどうなるかわからんちゅうことですよ。僕の場合は、コナミに正式に入社する前から、イラストレーター志望で手伝いとして入っていたんですけど、まわりにいろいろおだてられて気づけば、連日三時間半睡眠は当たり前で、そのうち会社に泊まり込むようになって……イラストの話がいつのまにか企画とかするようになった。そこから今のゲームの道につながっています。
後追いの給料交渉は経営者としてカッコ悪い
岡本:で、それまでゲームはやったことなかったんですが、「面白いじゃん」ってどんどんハマっていった。どんどんハマって、とことん仕事した。
亀山:じゃあ、結構貰ってたんだ。
岡本:ボーナスは良かったんですけど、基本給は13万円のまま。それで上げてくれって交渉したら、提示された額とか姿勢に共感できずにやめちゃった。「岡本は、(努力とかじゃなくて)たまたまのヒットだろ?」という評価だと思ったから。別に今でも恨んでるわけじゃなくて、当時、若造だった頃の話ですよ。
亀山:それは考えるところがあるな。俺も、最初にビデオレンタルの経営していたとき、すごく真面目に働いてくれている人がいたんだけど、給料上げなくても文句も言われないから、とにかく店舗拡大しなきゃということばかり考えていて、そのままにしていたことがあって……。
彼から辞めますって言われてはじめて、「給料上げるよ」って言ったんだけどまったくダメだった。後から考えると、「俺かっこわるいなぁ」って。だったら始めから出せよって。
岡本:うんうん。わかります。
亀山:それ以来、「価値のある者には見合う分を」ということで、最初にちゃんと出すようにしている。おカネのことについては、取引先とは交渉しても、一緒に働く社員には交渉しない。ウチの社員の給料は、最初にそれだけの覚悟をもって決めるようにしている。「辞めるから、出す」じゃない。後追いは格好悪いよね(笑)