英国現地ルポ、「EU離脱派」の熱狂は冷めた

ジョンソン氏撤退で迷走する英国トップの座

今回の投票の大きな特徴は、収入だけでなく、居住地や年齢など、投票者の属性で、票が二分されたことだ。高所得者の多くは残留支持。ロンドンやその周辺、金融街「シティ」など、比較的所得水準の高い人が住む地域では、残留票が膨らんだ。

2014年に英国から独立するか否かを決める住民投票を実施したスコットランドも残留支持の多かった地域。英国からの独立支持で一定勢力のいる北アイルランドでも残留支持が多数を占めた。反対に、ロンドンやその郊外を除くイングランド、ウェールズでは離脱が多かった。

年代別では、英国がEUの一員である時代しか知らない若者の多くが残留票を投じたのに対し、高齢者は主に離脱票を投じた。

ジョンソン氏は保守党党首選を辞退

民意の分断をもたらした今回の国民投票は、与党・保守党にも大きな亀裂を生じさせている。

「われわれは欧州の一部である」。キャメロン首相の後継の有力候補と目されていた、離脱派のジョンソン氏はそう発言。従来の反EU一辺倒のスタンスを軌道修正し始めた。

ジョンソン・ロンドン前市長が保守党党首選に不出馬。残留派のメイ内相、離脱派のゴーブ司法相らが浮上している

結局、ジョンソン氏は6月30日、保守党党首選に出馬しないことを明らかにした。

代わりに、ジョンソン氏とともに離脱運動を繰り広げたマイケル・ゴーブ司法相が立候補を表明。さらに、残留派として位置づけられるテレサ・メイ内相や労働者階級出身のステファン・クラブ雇用・年金相なども立候補。今後、党首選が実施され9月9日に結果が公表されるが、その行方は極めて流動的だ。

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