景気は後退局面だが、すでに底入れの兆しも 景気・経済観測(日本経済)

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国内生産の落ち込みには歯止めかかる

国内では、急速な落ち込みが続いていた自動車販売、生産がともに持ち直しつつあることが明るい材料だ。自動車販売はエコカー補助金終了前に減少し始め、12年6月から10月までに20%以上落ち込んだが、11月には前月比3.6%(当研究所による季節調整値による)と6ヵ月ぶりに増加に転じた(下図)。

 

自動車販売はリーマン・ショック後と東日本大震災後に急激に落ち込んだ局面があり、先食い需要の規模が限定的にとどまったことが、早い段階で持ち直しに転じた要因と考えられる。

大幅に落ち込んでいた輸送機械の生産も10月には前月比1.2%と小幅ながら6カ月ぶりの増加となった。自動車はエコカー補助金終了を見越して国内販売が好調な時期から減産体制に入っていたため、生産調整は比較的短期間で一段落した模様だ。

10月の鉱工業生産指数は前月比1.6%と4カ月ぶりに上昇し、企業の生産計画を表す製造工業生産予測指数は11月が前月比マイナス0.1%、12月が同プラス7.5%となった。現時点では生産低迷の主因である輸出の下げ止まりが確認されていないため、先行きについては慎重に見る必要があるが、これまでの急激な落ち込みに歯止めがかかりつつあることは確かである。鉱工業生産は年末から年明けにかけて底入れを探る展開となるだろう。

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