ミカンの美味しい季節になりました。風邪をひきやすい時期に、ビタミンCをたっぷり含んだ旬のミカンは最高ですね。さて、今日は11月4週目に開催された大王製紙エリエールレディスオープンでのお話です。
今大会は東日本大震災復興支援という大きな目的が掲げられ、大会会場は愛媛県から、復興に向け頑張っている福島県いわき市に変更となりました。今回、3日間で2万人を超える大ギャラリーに観戦していただき、大盛況となりました。初日から1番ティーイングラウンドの周りには早朝にもかかわらず、目の前で女子プロゴルフが見られるチャンスに、人の山となりました。それはすぐに1番ホール全体を囲む人垣に変わりました。
私たちは、計り知れない復興への厳しい道のりを歩んでいらっしゃる方々に、こんなにも喜んでいただけて、なんと幸せな仕事だろうと思いました。また、各選手が放つすばらしいドライバーショットに感嘆の声と惜しみない拍手を送ってくれました。それを背に受けてプレーできるのは、選手冥利に尽きます。そして優勝を争う最終組には、人が何重にもなって観戦してくださいました。
初日、スタートホールで選手を見送っていた私は、不動裕理選手がショッキングピンクのウエアを着てきたので驚きました。普段は目立たない色を着ることが多いのに不思議に思い「その色いいね」と話しかけたら、「こんなときこそ、目立たなきゃ」と言うのです。私は感激しました。ウエアの色は選手にとって重要です。普段着慣れない色を着ただけで心が落ち着かず、スコアに影響するからです。にもかかわらず、ピンクを着た意味は「私は心から福島を応援するために、ここにいる」という彼女の意思表示だったのです。私はその気持ちがうれしくて、涙が出てしまいました。
日本女子プロゴルフ協会では、「心をひとつに」という東日本復興支援スローガンがあります。選手たちは毎試合賞金の3%を義援金として、今年は被害の大きかった宮城県、福島県、岩手県それぞれに3000万円以上お届けすることができました。
私は大会期間中、仮設住宅に暮らす方々のところに行く機会をいただいたのですが、とてもお天気のよい日で、日向ぼっこするようにいちばん前の椅子に笑顔で座ったおばあちゃんたちが10人以上並んでいました。その後ろに20人近い方々がいらっしゃり、そのまた後ろに仮設住宅が並んでいました。その前であいさつすることになった私は、声ではなく突然涙が出てしまいました。天災で、しかも突然生活環境を大きく変えられた。なのに私の前にいるおばあちゃんたちは、にこやかに私を見てくれている。この方たちはなんと強いのだろうと、感激しました。
いつ何時、何が変化するかわからない。それに負けず、力強く生きている人たちが目の前にいる。この大会は私にとって心揺さぶられる大会となりました。
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