●社会人との共通言語でがんばった経験を伝えられる
例えば、ひと夏あるIT企業でインターンシップを経験した学生が、イベントや営業などで、どうしたら売れるのか本気で考え、売り上げが目標をクリアしたとしよう。出してきた結果はもちろん評価されることだが、その土台となったどうしたら売れるのかを自分なりに考えて、どのように工夫したのかを実際のビジネスを経験した言葉で語ると、ビジネスの世界にいる社会人には非常にわかりやすい。つまり、社会人との共通語でコミュニケーションをとることができるのだ。この共通語を使って就職活動でプレゼンテーションすることができれば、かなり高い確率で選考を突破するだろう。このように自分で考えて行動して結果が出せれば、就職活動の面接で自分の能力を伝えることができる自己PRのエピソードのひとつすることができる。
●好きか嫌いか、向いているか向いていないかが分かる
インターンシップ先で実際に働いてみると、この仕事がやりたいと感じたり、向いているという結論になる場合もあるし、この仕事は自分には向いていないことに気がつく場合もある。全力でがんばった結果、合わないとわかったことも非常に価値のある収穫なのだから、焦ったり、落ち込んだりする必要はまったくない。1つの企業で合わないと感じても、期間の長いものと短いものを組み合わせて3つくらい経験してみることをおすすめする。3社くらい経験すると自分に合った仕事のキーワードが出てくるだろう。やりたいことが分からないと悩んでいる学生はとにかくインプットが少ないように思える。判断する基準が少なすぎるのである。何もない状態でやりたいことの棚卸は本当に大変なので、何でもいいからまずは何か経験してみることを強くおすすめする。
●社会人や仕事に対する意識が変わる
学生の中には「俺はできるんだ」と自信たっぷりの人がいる。もちろん自信があることが悪いのではないが、そういう人にもインターンシップを通して本気モードで仕事している社会人と出会って、ビジネスのすごさを垣間見て欲しいと思う。社会人のすごさを感じた上で「俺はできるんだ」と言う人と、感じたことがなくて「俺はできるんだ」と言う人では、大きく違う。
ある学生は、インターンに参加するまでは、疲れ果てたビジネスマンを電車内でみるたびに、自分もあんな社会人になるのか、あんな社会人にはなりたくないと思っていたそうだ。しかし、インターンシップに参加してみて、大きな意識の変化が起こった。社員の方が親身になってフィードバックしてくれたり、仕事をバリバリこなす姿を見たり、営業同行して社会人が本気でビジネスをする瞬間に立ち会っているうちに、「社会人ってすごい」と感じるようになったと言う。それからは、自分の父親や電車に乗っている社会人たちを見ても、実はすごいんじゃないかという尊敬の気持ちを持てるようになり、山手線から見える景色が変わったと話してくれた。
社会人になりたくない、と思っている人も、今まで持っていた社会人や仕事の世界の認識がインターンシップを通して大きく変わるかもしれないので、ぜひ積極的にチャレンジして欲しい。
どうだろうか。こんなにメリットがあるインターンシップに少しは興味を持ってもらえただろうか。次回は、この素晴らしいインターンシップを経験するための方法を紹介しよう。
※「大学生のためのインターンシップ成功指南」は、「ジョブウェブ」から提供を受けています。
株式会社ジョブウェブ代表取締役社長
1972年東京都生まれ 早稲田大学社会科学部卒。
就職活動後、大学4年生の96年10月ジョブウェブを創設。 97年7月、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)に入社。
99年10月、ジョブウェブを法人化。
現在、株式会社ジョブウェブ社長として講演や勉強会などに全国を飛び回っている。学生の就職支援と企業の採用支援を通じて学生と企業の本音コミュニケーションをサポートしている。
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