晩婚化と男性不妊の切っても切れない関係 女性だけに原因を求めてはいけない

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男性不妊専門医のオーク住吉産婦人科の多田佳宏医師も口を揃えてこう答える。

「精子の質が一番良いとされるのは、10代後半から20歳ぐらいです。確かに、卵子より精子のほうが老化は遅いですが、男性も35歳を超えると緩やかに精子も老化していきます。しかし、精子は卵子と違い、数が多く、一部の精子の質が劣っていても、生き残っている精子の数もある程度いるため、妊娠率は女性より高くなります。

男性のなかには、60歳でも70歳でも子供を持つ方がいらっしゃいますが、男性の場合は個体差が大きく、また女性因子に大きく左右されます。高齢でも出産まで行かれる方はそれほど多くはありませんので、過信するのは禁物です」

男性の加齢の影響で、自然流産の確率が上昇

日本生殖医学会によれば、男性でも35歳を過ぎると生殖補助医療による出産率が低下するという報告や、男性の加齢の影響で、自然流産の確率が上昇するという報告も出されている。さらに、45歳より高齢の男性で、25歳未満と比較して自然流産の確率が2倍になるという報告や、自然流産に与える影響は男性の40歳以上は女性の30歳以上に相当するという報告もある。

「妊娠に到ったカップルのデータで見てみると、自然妊娠の成功率は男性が40歳ぐらいから徐々に落ち始めます。また、人工授精であれは35~40歳、体外受精であれば40歳頃から低下し始めます。しかし、このデータは高齢男性のパートナーの年齢は高いなどの女性因子も含まれますので、一概に言えません。よって、女性因子を排除したドナー卵子を使った場合は、男性の年齢はさらに高齢の、50歳以上で妊娠に到る割合が低下しました」(岡田医師)

男性も年齢によって明らかに老化することがわかった。自身の未来を描くためにも、精液検査を若いうちに受けておくのは得策だといえそうだ。

「通常の精液検査で調べられるのは、精子の濃度、精子の運動率、正常形態精子の率など、精子の数や動き方、形態だけです。しかし、精子機能検査のMOAT(mouse oocyte activation test)では精子の “妊孕力”、いわゆる精子の妊娠させる力(精子力)を調べることができるのです」(岡田医師)

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