デキる人たちのリアリスティックなパワポづくりを観察していると、「外資系コンサルのパワポ術」ではタブーとされている3つのお作法をあえて使っていることを発見しました。
① 1枚のキラーコンテンツが生まれたら勝ち
完璧なパッケージより、1枚で良いからキラーコンテンツを目指す。キラーコンテンツとは、相手の印象に残りその1枚が自然と周りに広がり、みんなが動きだすパワポ資料のこと。
ある会社が存続をかけた新規事業を模索していた時、事業領域を丸3つで分類して3つ目の丸が御社の進む道では?みたいな簡単なパワポ1枚を作ったことがあります。それ以外のページはボツでしたが(笑)、その1枚は相手に刺さったみたいで「ひとり歩き」する感じで社内に広まり、会社全体が新規事業にぐんと動き出しました。ひとり歩きする1枚が生まれたら、残りボツでも勝ちだというしなやかな気持ちが「相手を動かす」目的達成の秘訣です。
キラーコンテンツをデザインする意識
② 迫力重視
実はある心理学実験で、まったく同じメッセージでも語り手が変わると相手が同意するか反対するかが180度変わるという研究結果が発表されました。資料上の文書より、伝え手の思いや迫力が相手の行動を決める重要な要素です。デキる人は会議の冒頭に自分の想いが伝わることを最重視。リードメッセージよりも1ページ目の「目次」や「目的」にこだわりを見せていました。
③ 妄想とコネコネ
デキる人は、下書きよりある作業にもっと時間をかけていました。それは妄想、相手に説明するシーンを頭の中でシミュレーションする作業です。デキる人は資料づくりの間ずっと妄想を続けています。パワポをコネコネいじって説明シーンを妄想し、またコネコネいじって妄想する……を繰り返してパワポをブラッシュアップしていました。
デザインの世界ではまず試作品を作って仕上げる手法が主流ですが、デキる人はパワポでも同じ手法を採っていました。
デキないオトコのパワポはカッコいいパワポづくり自体が目的化していますが、デキる人は相手の心を動かすことを目的に1枚のキラーコンテンツをデザインするという大きな違いがありました。デキる人のパワポづくりは「デザイン」や「アート」に近いようです。だからデキる人はテクニックや理屈をこえた要素を重視しているのかもしれません。そう言えば、世界中の人々の心を動かしたあの芸術家が、こんな言葉を残していました。
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