サッカー欧州選手権、「乱闘続出」の異常事態 ロシアのサポーターが暴徒化している

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 当時、筆者が声を掛けた地元の老婦人が「サッカー観戦はサポーターが物騒だからいつもは避けているけど、五輪なら大丈夫そう」と語っていたことを思い出す。

ロンドン五輪の会期中、サッカーを含む各種競技で、観客同士がトラブルを起こしたというニュースを耳にした覚えはない。やはり、サッカーというスポーツにとって、出場選手の年齢制限が付けられている五輪はそれほど重要な大会ではないのだ。

「ロシアからサッカーW杯の開催権を剥奪すべき」

サッカー最高峰のイベントはワールドカップ(W杯)である。この先に心配なことは、ロシアで開かれることが決まっている2018年サッカーW杯における安全の問題だろう。

すでに英国ではそれを見越した発言も出ている。ある下院議員は今回のトラブルについて「ロシアから2018年サッカーW杯の開催権を取り上げるべきだ」と発言。ことの重大さは『ユーロ2016』にとどまらないことを示唆している。

一方であるロシア政府高官が、今回のマルセイユでのトラブルについて、「スタジアムでサポーターが相手側になだれ込む事態を引き起こしたような警備を行ったUEFAが問題」と述べ、自国サポーターを擁護するような発言を行っているのは驚きだ。その後、同国政府はフランスを訪れている自国サポーターに対し、「暴力など混乱を起こす行為を慎むよう」と警告をしたものの、依然として「あくまで自国民は悪くない」といった考えを持つ風潮があるとしたならば、当然のことながらW杯観戦客への安全確保に対する懸念が生まれて来る。

各国のサッカー連盟は、サポーターの違反行為に対し、チームへの厳しい罰則規定を設けている。これはゲームを順調に運営するためだけでなく、応援に来るサポーターたちの安全確保のためでもある。しかし、高額の罰金を科しても今回のようなトラブルが起こるのは嘆かわしい。

UEFA理事会に諮られた違反行為に関するリポートがある。これにはラフプレーやサポーターが引き起こしたスタジアム内での悪質行為に対する裁定が詳細に記されている。

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