「会議好き」上司は、部下からの人望をなくす その積極性、「ハタ迷惑」ではないですか?

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中嶋:からかっているうちに、君の呼吸が徐々に浅くなってきたよ。ハーハーしてきたよ。ストレスがかかると呼吸が浅くなって、落ち着きを失うから、ウッカリィ課長になるんだよ。

解説Ⅰ 長く吐く呼吸で落ち着きを

私たちの心身は自律神経によって調整されています。このうち交感神経は、緊張、興奮などを生み出し、副交感神経はリラックス、落ち着きなどを生み出します。仕事に立ち向かうときは、何らかの緊張状態にあります。それが継続すると、筋肉はこわばり、呼吸が浅くなります。当然、頭も固くなります。脳波はβ波。猪突猛進型の積極性に陥ります。まわりの人にとっては、ハタ迷惑な積極性です。

いっぽう、副交換神経が優位になると、寛いだ雰囲気が生まれます。呼吸が深く筋肉も柔らかです。脳波はα波となり、アイデアも出やすくなります。ここから生まれる積極性は、落ち着きのある、腰が据わったものです。

そして、副交感神経を刺激するのが吐く息です。①まず吸う、②吸気の2~3倍の時間をかけて吐く、を意識して練習すると良いでしょう。上司としての落ち着きが出ます。余得として、肩こりも解消するはずです。

距離をとって、問題を把握

中嶋の問②:焦った上司は近視眼的?!

宇貝:私、ハーハーしてますか?

中嶋:いつも焦ってる感じがするよ。目先の問題だけ見て、前のめりになっている感じ。

宇貝:自分でもそう思います。大きな視点で問題をとらえることが苦手なんです。

中嶋:少し引いて見れば良いんだけどね。鳥の目で。いつも距離をとると評論家になるし、いつも近距離で見てると大きな方向を見失う。必要なときに必要な距離で問題を眺めることができると良いんだが。とりあえず、君の場合は、深呼吸から始めたら?

宇貝:う~ん。上手くできますかねぇ(懐疑的)。

中嶋:遠くから眺めて、問題の重心をつかみ取る。これは体験を積むことで上手になるようだよ。漢方医は望診といって、診察室に入ってきた患者の全体像から病症を把握する診断技術を持っているそうだから。

宇貝:望診ですか。ボーっとならできますが。

中嶋:語呂合わせで返したね(笑)。それくらいの余裕が欲しいところだよ(笑)。

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