優秀なリーダーは部下の前で「無能」を演じる 「意図的手抜き」で部下を育てよ
現場のスタッフは、尊敬できる上司と働くと、やる気や能力が高まります。しかし、尊敬できず、信頼できない上司のもとでは、持っている力の半分も発揮できません。つまり、尊敬される上司の存在こそが、部下の能力発揮に繋がり、他社に打ち勝てる職場づくりに繋がるのです。そこで、『正しい目標管理の進め方』の著者で目標管理の達人である中嶋哲夫氏が、部下から尊敬される優れた課長の条件を説明します。
前回、話に夢中になり過ぎた某企業の販売課・宇貝課長は、中嶋先輩に促されて場所を変えました。お酒を飲まない中嶋先輩に気を配り、十割蕎麦の店に。中嶋先輩の目が輝きます。
すぐに指示ができない自分が情けない(泣)
宇貝の悩み①:優柔不断な自分
宇貝:先輩は呑まなかったですよね。ここでいいですか?
中嶋:蕎麦は好きだよ。蕎麦屋の卵焼きは美味いしね。
宇貝:さっきからの上司のゆるい管理についてですが、分かるような分からないような……。
中嶋:禅問答?
宇貝:いいえ仙人問答。霞を食う気分です。そういえば先輩のあだ名は仙人でしたね。霞と人を食う仙人(笑)。
中嶋:人は食わないよ。
宇貝:話ついでに、もう少し愚痴を言ってもいいですか?
中嶋:どうぞどうぞ。愚痴聞き料はいただくよ(笑)。
宇貝:実は、私、優柔不断なんです。部下の相談を受けたときに、すぐに指示ができなくて。上司として情けないんです。
中嶋:それは素晴らしい! それがいいんだよ。指示がなければ部下が考えるだろう。素晴らしい管理者だよ。
宇貝:そうでしょうか……。
中嶋:後になって指示するから、部下がそれを待つんだよ。最後まで指示しなければ、部下が自分で考えるさ。
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