LINE上場で「東証マザーズ」バブルに拍車? いまや東証1部よりも「大盛り上がり」

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足元のマザーズ市場の商い増加の背景には、こうした将来の先物取引実施を想定した投資家による買いが入っている可能性はある。

実際、マザーズ先物がどれだけの売買高となるかは、7月に始まってみなくてはわからない。日経平均と異なり、カバレッジされている銘柄が少ない市場に、海外投資家がどれだけ投資資金を振り向けるかは謎だ。全ては始まってみなくてはわからないが、市場が注目する大きなイベントであることは間違いない。

そして、もう一つ、7月15日にLINEが東証1部もしくは2部に上場することが決定した。「上場するする」といって少なくとも1年超経っているが、ようやく上場する運びとなった。

7月のLINE上場で、相場過熱も?

市場から吸収する資金は約1000億円。昨年11月の郵政グループ3社の上場では1.4兆円を吸い上げたことから、これと比較すると小さい。

ただ、これまでの今年最大はアカツキの73億円だったことを考慮すると、大型上場といって間違いはない。なによりも、LINEだけではなく、その関連銘柄が多いことが今回の特徴だ。「LINEが上場する=関連銘柄の事業が拡大する」となるかどうかは微妙だが、少なくてもテーマ株の一つとして市場の話題となる。

結局、奇しくも7月は15日にLINE、19日にマザーズ先物、と2週続いてのビッグイベントとなる。1980年代後半のバブル相場では、NTTという目玉銘柄が上場したことで相場が過熱。そして、先物取引がスタートした後は猛烈な先物買いに呼応する格好で現物株が上昇する地合いとなった。当時と時代背景や規模は違うものの、こうした流れになる可能性もゼロではない。

上述の通り、個別銘柄ではきつい急落となった銘柄も見られるが、足元のマザーズ市場は、実はあれもこれも上昇する相場とはなっていないのも事実だ。

循環的な物色が続いていることから、まだ全体ではマザーズ市場はバブルではないと考える。LINEの上場が成功し、マザーズ先物がしっかりとした流動性を確保することができれば、マザーズ市場は、株が大好きな個人投資家には、まだまだ「稼げる」場所となりそうだ。
 

田代 昌之 マーケットアナリスト

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たしろ まさゆき / Masayuki Tashiro

北海道出身。中央大学文学部史学科日本史学科卒業。新光証券(現みずほ証券)、シティバンクなどを経てフィスコに入社。先物・オプション、現物株、全体相場や指数の動向を分析し、クイック、ブルームバーグなど各ベンダーへの情報提供のほか、YAHOOファイナンスなどへのコメント提供を経験。経済誌への寄稿も多数。好きな言葉は「政策と需給」。ボラティリティに関する論文でIFTA国際検定テクニカルアナリスト3次資格(MFTA)を取得。2018年にコンプライアンス部長に就任。フィスコグループで仮想通貨事業を手掛ける株式会社フィスコデジタルアセットグループの取締役も務める。

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