英国がEU離脱なら「世界恐慌」の引き金に? 勢い増す「離脱派」、日本企業にとっても脅威

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縮小

英国は直接投資の受け入れ額も大きい。EUではオランダに次ぐ第2位だ。

日本の大企業も、英国に拠点を置き、欧州で売り上げを稼いでいるところが多い。

英国がEUとの貿易縮小で、海外企業を呼び込むことが難しくなれば、雇用への影響も大きい。

EU域内での金融機関の自由な活動ができなくなれば、金融街「シティ」の魅力も薄れる。英国財務省はショックシナリオとして「失業者が約82万人増加し、GDP(国内総生産)が2年で6%減少する」との試算結果を公表している。

これに対して離脱支持派は、離脱のデメリットを強調する政府や経済界のやり方を「プロジェクトフィアー(恐怖作戦)」と非難し、反発を強める。

離脱支持派の主張の根底にあるのは、「国家の権限を制約するEUの共通政策への不満」(経済産業研究所の中島厚志理事長)だ。

「バナナ規制」に嫌悪感

特に、官僚主義的なEUの対応に、嫌悪感を示す英国民は少なくない。具体例として離脱派が引き合いに出すのが、かつてEUに存在していた“バナナ規制”だ。

「過度に曲がった高級バナナを売ってはならない」、という趣旨に基づき、長さやカーブの角度にまで細かい規定があった。

EUの枠組みから解き放たれれば、規制緩和を自由に進めることが可能。ギリシャ支援をめぐる分担金負担も軽減される。さらに、一部のEU加盟国が導入へ動いている「金融取引税」の対象外になることでシティの地位も維持できる、などなど。

離脱支持派は残留支持派の主張にことごとく反論している。

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