小林:そうです。いろんなトランスフォーメーション(transformation:変革)があって、ネパールの復興支援のような社会問題に対するものだけでなく、高校生インターンや学生起業などまで多種多様です。「ジョブシーカー(Job Seeker=職を探す人)はもういらない。教育機関としてはジョブクリエイター(Job Creator=職を創る人)を育てましょう」と国際会議でも言われています。
「自分は何が好きなんだろう?」というところからビジネスやプロジェクトを作ってしまうような人の輩出が求められているのです。そのため、本校でもさまざまな分野で変革を起こしている第一線の方々をお招きして生徒を刺激していただくような機会を作ったりしています。
加藤:「職を探す人から、職を創造する人へ」という変化は面白いですね。
小林:あとは、創造的破壊を心掛けています。今、実際に本校で起きているトランスフォーメーショナルな例を挙げるとすれば、校則を壊そうとしている生徒がいることでしょうか。
加藤:生徒が校則を壊すんですか?
小林:そうなんです。おかしいと思ったら、変えてみよう・すぐに変わらなければ違う方法論を考えてみよう・自分の主張が正しければいつか必ず変わるという信念を持つことが大切です。だから、校則を変えようという動きはISAKの存在意義を表す良い例だなと感じています。
苦手なもので自分のレベルが決められてしまう教育
加藤:小林さんご自身はどんな学生でしたか?
小林:はい。私は数学が苦手な学生でした。国語や社会にはもともと自信があったのですが、理数系科目と私は仲良くできなくて。文系科目ですごく良い成績が取れた時があったのですが、褒めてくれれば良いタイミングなのに「数学ができないと大学受験できませんよ」と先生に言われたのが印象に残っています。「苦手分野の程度で生徒のレベルが決められている」のはおかしいと感じています。
加藤:市場価値は、その人が持っている能力のうち、いちばん突出しているところをとらえますよね。一方で日本における受験は受験科目の合計点で評価されている。苦手を克服させようという前向きな考えからの発言だったのかもしれませんが、言われるほうとしてはもっと自分の長所に気付いて伸ばしてもらえると次につながりますよね。
小林:まさにそのとおりだと思います。「数学ができないのも事実だけど、ほかの科目は結構頑張っているんですけど、私」みたいに当時は思っていました(笑)。
加藤:自分の信念に対して素直だったんですね(笑)。
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