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「何でもあります」では地方に客は絶対来ない 超細分化する旅行ニーズに追いつけるか

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  • 永井 孝尚 マーケティング戦略コンサルタント
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山下:そうですね。ただ「星空ナイトツアー」は星空ガイドのおかげで曇りでも楽しめる仕組みにしていますが、ご来光は見えないと意味がありません。

そこで午前3時頃、5合目のスタッフからこの会社に、ご来光が見えるかどうか連絡が入る仕組みになっています。ご来光を拝むことができなかった方は、次回無料でツアーに参加できる乗車券が進呈されるようになっています。これなら安心して参加できますよね。「ご来光が見えないから」ともう一泊する人も出てきます。

しかも参加者1人だけでも運行します。収益がマイナスの時も儲かる時もありますが、年間通じて黒字になる仕組みです。そもそも河口湖に来る個人客が増えれば、必ずしもこの仕組みで儲けなくてもいい。

つまりホテルがハード整備して個人対応できなくても、このようなプラットフォームを作れば、増え続ける個人客に対応できるし、こういう仕組みを整備していくことで地域全体の活性化に繋がる。このような先進地域の取り組みを学ぶことで、地域における観光振興のあり方を考えてきました。

永井:私もご来光ツアーに参加したくなってきました。

山下:私も実際参加してみました。この時は最高のご来光が見えました。朝早く起きて富士山にご来光を見に行くというのは、ものすごくワクワク感がありますね。この時はJTBの商品開発責任者の研修を河口湖でやっていて、全員で行きました。前の晩、懇親会でなかなか寝てない人も、皆起きて参加して、感動していました。

大きく変わった旅行の価値

永井:このようにお話しを伺うと、旅行のスタイルが確かに昔と変わっていますね。

山下:昔の団体旅行だと、夜は温泉旅館でどんちゃん騒ぎの宴会をして、朝はゆっくりお風呂につかる、という感じですよね。今はかなり変わってきました。

北海道でも、午前3時に起きて、早朝の湖で真雁が朝焼けと同時に飛び立つ瞬間を見に行くツアーがあったりします。今の旅行者は、夜よりも朝ごはんを美味しく食べたいし、朝の綺麗な風景を見たいとか、夜の星空を見たい、というように、旅行で体験したいものが前とはずいぶん変わっていますよね。

永井:個々人の望む体験ができることが、旅行の価値に変わっているということですね。

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【温泉地が考えるべきこととは?】

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